名古屋ダイヤモンドドルフィンズがジャイアントキリング! 若き才能が魅せる”伸びしろ”に注目

名古屋Dは川崎を相手に大勝利 [写真]=B.LEAGUE

 9月29日、ついにBリーグの2017-18シーズンが開幕した。名古屋ダイヤモンドドルフィンズは、昨年度準優勝の川崎ブレイブサンダースと川崎市とどろきアリーナで対戦。名古屋Dにとっては、昨季レギュラーシーズン中地区で8割を超える勝率を残したリーグ屈指の強豪に胸を借りる対戦となった。

 19時12分に開始した試合は、序盤から厳しいディフェンスを見せる名古屋Dが川崎のオフェンスを封じこめ、リードを保つ。第1クォーターを25-15、第2クォーターを21-15で制し、46-30と16点の大量リードを奪い前半を折り返した。

 名古屋Dは、川崎のエースで、昨季MVPニック・ファジーカスには前半だけで14得点を許すものの、日本代表のポイントガード篠山竜青を無得点、リーグ屈指のシューター辻直人を3得点に抑えると、オフェンスでは10選手が得点を挙げる的を絞らせない攻撃を見せるなど、素晴らしい出来栄えを見せた。

[写真]=B.LEAGUE

 後半に入るとキャプテン、チームの中心ジャスティン・バーレルがディフェンス時のファウルを巡り激高。このプレーでテクニカルファウルを取られてベンチへ下がると、気持ちが収まらないバーレルはベンチを激しく叩きつけて、これがベンチテクニカル。高い集中力で粘り強いプレーを続けていた名古屋Dだったが、試合巧者の川崎はこのチャンスを逃すはずはなく、流れは一気に川崎へと傾いた。

 名古屋Dは、第3クォーターで8-18と一気に詰め寄らせると、前半までの貯金をあっという間に失ってしまい、試合は一進一退のシーソーゲームに。名古屋Dは、川崎のスピードスター藤井祐眞の鋭いドライブや、ファジーカスの柔らかなシュートに失点を重ねるも、試合は最終盤まで予断を許さない展開となった。

 名古屋Dはコートにいる選手が周りの選手を探す悪い流れになりかけたところで、リズムを失う原因となったバーレルをコートに戻すと、バーレルは期待に応えて連続得点。残り3秒を切ったところで、マークについていたジョシュ・デービスとヘルプに来たファジーカスを振りきって、ローポストからフェイドアウェイシュート。きれいな弧を描いたシュートはリングへと吸い込まれた。シーズン初戦から繰り広げられた激闘は77-76の僅差で名古屋が制し、貴重な開幕戦での勝利を飾ることとなった。

[写真]=B.LEAGUE

 この試合が初采配となる梶山信吾ヘッドコーチは、「初めてのHCとしての指揮だったが、落ち着いていた。自画自賛ですけど(笑)」と頬を緩め、「ハーフタイムで大きくリードをしていたが、『川崎はこんなもんじゃない』と指示を出していた」と話し、後半の追いあげを覚悟していたことを明らかにしたが、「最後まで我慢して我慢して、最後のショットが生まれた。試合が終わった瞬間にホッとしました」と胸を撫でおろした。

 梶山HCは「これも自画自賛になりますが、ドルフィンズには潜在能力が高い選手が多く、”伸びしろ”があると思っている。今季から取り組んだのが自主性。アーリーカップでその取り組みにより自主性が出始めて、今日の試合で、良い結果につながったと思う」と若いチームの今後のさらなる成長へ期待を寄せた。

 長いシーズンは始まったばかり、才能溢れる若いチームの成長も、今シーズンのBリーグの見どころのひとつになりそうだ。

文=村上成

[写真]=B.LEAGUE

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