「内容はそんなに悪くなかったが、点が取れないことで自分たちのディフェンスが崩れて、リバウンドを取れなくなった。相手に負けたというより自滅。すべてヘッドコーチの責任」
10月25日に墨田区総合体育館で行われたB1リーグ第5節終了後、栃木ブレックスを指揮する長谷川健志HCがそう語り、肩を落とした。
サンロッカーズ渋谷と顔を合わせた一戦は、第1クォーター序盤に5点のリードを奪ったものの、その後は試合をひっくり返され、成す術なく65-85と20点差で敗北。チーム最多の17得点を挙げた遠藤祐亮も「シュートが入らない時間帯にディフェンスが崩れた」と振り返り、「打開策を見出せなかった」と、冷静にチームの現状を分析した。
熊谷尚也(現大阪エヴェッサ)や古川孝敏(現琉球ゴールデンキングス)ら優勝経験メンバーがチームを去った今季の栃木は、開幕戦こそシーホース三河を相手に78-64と完勝したものの、その後は1勝7敗。オフェンスでは「簡単に点を取ること」(遠藤)を意識しているというが、9試合618得点はB1リーグ全体で17位の数値。その中で、初代ベストディフェンダー賞を受賞した遠藤は2試合連続2ケタ得点と攻撃面での貢献も大きく、「自分や喜多川(修平)さんがシュートを打っていかないと点が伸びない」と危機感を口にする。
「2週間前くらいはフラストレーションが溜まっていた。オフェンスで気負っていた部分があったが、今はピック&ロールなどを使って点を取れるようになった」と、手応えもつかみ始めている。ただ、指揮官も語るように、チーム全体としてディフェンスでの問題が多い。
「毎試合レベルアップしているが、ディフェンスでのコミュニケーション不足がある。コーチ陣が細かく教えてくれているけど、自分たちが表現できていない。練習でやっていることを試合で出せないと意味がない」
課題が明白となっている東地区6位の栃木。中2日で敵地でのレバンガ北海道戦を迎えるが、遠藤は「ここで修正できれば、チームとしてステップアップできると思う。勝ちたいという思いを試合で表現したい。どんな状況でもしっかり戦っていく」と意気込んだ。