12月2日、西地区1位の琉球ゴールデンキングスが今シーズン初めて関東にお目見え。横浜国際プールで横浜ビー・コルセアーズと対戦した。
試合は第1クォーターから琉球が横浜を圧倒。ハッサン・マーティンのバスケットカウントを皮切りに、岸本隆一の3ポイントシュートまで10連続得点を挙げ、一気に横浜からリードを奪う。琉球はその後も攻勢を緩めず、横浜のフィールドゴールをウィリアム・マクドナルドのゴール下のみに抑え、30−7のビッグリードを奪った。
第2クォーターに入り、横浜は蒲谷正之とハシーム・サビートの2メンゲームで状況打開を図るが、高確率でシュートを決める琉球の得点ペースをなかなか下げられない。琉球は速いボール回しから、ディフェンスがインサイドに寄ると、それを尻目にコーナーにパスをキックアウト。これがほとんどノーマークとなり、古川孝敏、岸本が気持ちよくシュートを決めていく。前半を終え、琉球の3ポイント確率は実に66.7パーセント(8分の12)、一方横浜は0分の6と対照的な数字となった。
後半、3857名とほぼ満員となったブースターに報いるべく、横浜は追撃を図りたかった。しかし、琉球のディフェンスの足が全く止まる気配を見せず、第3クォーターは11得点のみ。第4クォーターに入っても琉球は攻撃の手を緩めず、90−52と快勝した。この試合、古川が5本の3ポイントを含む両チーム最多の23得点をゲット。岸本が15得点と続き、日本人プレーヤーがおおいに気を吐いた。
「我々のスタイルである激しいディフェンスをスタートからできたことが大きかった。第1クォーターで相手の得点を7に抑えられたのがすべてだと思う」と、琉球の佐々宜央ヘッドコーチは表情を崩す。「ファウルが多くなってしまったが、ポイントガード陣がプレッシャーをかけてくれて、そこからリズムが作れた。オフェンスでは3ポイントシュートの確率が61.9パーセントだったのは出来すぎだと思うが、これからは2ポイントの確率も上げていきたい」と、明日に向けての課題も口にした。
一方、横浜の古田悟HCは悔しさをにじませた。「第1クォーターから相手のプレッシャーディフェンスに向かっていけなかった。これだけ多くのお客さんの前でふがいない試合をしてしまったことを、スタッフ、選手とも忘れずにいたい」。横浜は、昨シーズン栃木ブレックスをBリーグ初代チャンピオンの導いたトーマス・ウィスマン氏がアドバイザーに就任。現在、「オフェンスから新しいシステムを取り入れている」(古田HC)状況であるという。
中地区で6位に沈むチーム状態がどう変化していくか。注目が集まる。
文=入江美紀雄