どのチームにとっても重要な意味を持つリーグ戦再開初戦。千葉ポートアリーナに5909人が詰めかけた千葉ジェッツと横浜ビー・コルセアーズの対戦は95-79で千葉が勝利。東地区首位浮上に向けて、まずは順調な滑り出しを見せた。
立ちあがりは横浜ペース。満田丈太郎と川村卓也が3ポイントを決める横浜に対し、千葉はマイケル・パーカーを中心にインサイドは攻略するものの3ポイントが入らない。横浜はリバウンドや相手のミスから速攻でも得点を重ね、最後に川村が再び3ポイントを決めて16-26と横浜が10点リードして最初の10分間が終了。
第2クォーター、千葉はギャビン・エドワーズのフリースローでつなぐが、なかなか点差を詰められない我慢の展開。しかし、開始1分2秒に小野龍猛が決めて以降、3ポイントが入り始める。西村文男、小野がそれぞれ2本ずつ決めて点差が縮まり、レオ・ライオンズも同クォーター2本目の3ポイントが決まった残り1分46秒に逆転。46-43と千葉がリードを奪って折り返す。
リードした千葉は、第3クォーター序盤からトランジションオフェンスで横浜を突き放しにかかる。残り7分に小野の3ポイントが決まったところで横浜はたまらずタイムアウトを取るが、千葉の勢いは止まらず、エドワーズのダンクなどで最大16点差まで開く。その後、ハシーム・サビート・マンカのダンクで71-59の12点差となって第3クォーターを終えると、第4クォーター最初の1分でサビートのダンクが2本飛び出して8点差。しかし、大野篤史ヘッドコーチがタイムアウトで立て直し、そこからは再び千葉ペース。そのトランジションオフェンスに横浜はなす術なく、最後は16点差で千葉が歓喜に沸いた。
千葉は優勝した天皇杯に続いて富樫勇樹を欠く戦いとなったが、その影響は微塵も感じさせなかった。大野HCも「富樫のピック&ロールは我々の武器の1つですが、ファーストオプションはトランジション。そこからハーフコートオフェンスになってもしっかりパスを回すことができた」と、富樫抜きでも機能したオフェンスを高く評価。試合の入りについてはもちろん満足していないが、目標の1つである天皇杯優勝を達成したことで「安堵感が出てしまうのは致し方ない面もある。今日は勝てたことが収穫」とポジティブにとらえている。
リーグ制覇というもう1つの目標に向けて、大野HCの「マインドセット」も大きなカギになりそうだ。
文=吉川哲彦