2月9日、墨田区総合体育館でサンロッカーズ渋谷とレバンガ北海道が対戦し、90-64で北海道が快勝した。SR渋谷は2018年最初のホームゲームで大敗。勝久ジェフリーヘッドコーチは試合後、報道陣に対して「こんなにみっともないゲームをして悔しい」と怒りを露わにした。
試合は第1クォーターから北海道が先行する展開。多嶋朝飛、関野剛平、野口大介らがアグレッシブなディフェンスから流れを作り、それをオフェンスの流れにつなげていく。SR渋谷は持ち味のピック&ロールからの崩しを北海道に対応され、ロバート・サクレや満原優樹らインサイドの選手たちがいいポジションでボールをもらえない状態。それでも、途中交代したベンドラメ礼生や山内盛久らガード陣がアグレッシブにアタックすることで、17-16で第1クォーター終了を迎える。
第2クォーターは勝久HCいわく、「トランジションは重く、ギャンブルディフェンスでノーマークを作り、ボックスアウトを怠った。何一ついいところがないクォーター」。サクレ、ジョシュ・ハレルソン、ブランデン・ドーソンを頻繁に入れ替えて流れを変えようとしたが、「セメントのように足が重い」(勝久HC)チームは活路を開くことができない。一方の北海道は松島良豪がノーマークのジャンプシュートを的確に沈め、ダニエル・ミラーがダンクを2連続イン。多嶋のシュートをマーク・トラソリーニが押し込むなどチームの連携が冴え、44-27と大量リードを奪った。
後半に入っても依然北海道の勢いは止まらなかったが、56-29で迎えたオフィシャルタイムアウト後、SR渋谷はオールコートディフェンスから反撃のきっかけをつかもうとする。山内が好守と連続得点で盛り立て、ベンドラメの3ポイントが決まると会場は大きく沸いたが、シュート確率の悪いアウトサイド主体の攻撃は変わらず、ハレルソンのゴール下のシュートもリングに嫌われた。広瀬健太がディフェンスで意地を見せ、勝久HCが最後まで選手たちを鼓舞し続けたが、25得点17リバウンド(うちオフェンスリバウンド7個)のトラソリーニを筆頭に全員出場、全員得点を果たした北海道が、最後まで流れを譲ることなく勝ち切った。
北海道の水野宏太HCは、前回のSR渋谷戦が2戦とも重い展開だったことを踏まえ、好守から走る展開を徹底したとコメント。「いいエネルギーと強度を持ってディフェンスがしっかりでき、その流れをオフェンスに持っていけた」と試合を振り返った。
北海道は前節でも強豪、アルバルク東京戦の初戦を叩くことに成功している。「ただ、2戦目は敗れた。明日の試合をどう凌ぐかが、我々が真の強さを身につけるための焦点になる」と水野HCはにらむ。一方の勝久HCは「選手たちはスタッフや家族がどれだけ自分の生活を犠牲にしてサポートしてくれているかを考え、ゲームをリスペクトして戦ってほしい」と厳しい表情でコメントした。
文=青木美帆