3月11日、アリーナ立川立飛で行われたアルバルク東京vsサンロッカーズ渋谷のB1リーグ第22節。“東京ダービー”2戦目は、第1戦を落としたSR渋谷がリベンジを狙ったが、最後までリードを奪えず67-75でA東京に軍配が上がった。
前日の試合では、立ちあがりに背負ったビハインドが最後まで響き、6点差で敗戦したSR渋谷。まずは試合の入りを注意したいところであったが、この日も開始わずか1分間で0-7と出鼻をくじかれ、たまらずタイムアウトを請求。再開後はロバート・サクレが8得点を記録し、残り5分時点で8-14と立て直す。そこからは両チームともにシュートミスが続き停滞したが、残り1分18秒、田中大貴にスティールから速攻を許し9-16で第1クォーターを終えた。
第2クォーターは、開始から思いきりの良いシュートで広瀬健太、ジョシュ・ハレルソンの3ポイント、ルーベン・ボイキンのジャンプショットが決まって2点差に詰め寄る。しかし、A東京もアレックス・カークのインサイド、安藤誓哉、田中の3ポイントで対抗し、開始4分46秒で20-30と徐々に離されてしまう。中盤以降は互角となり10点差のまま前半を終えたが、サクレの得点が目立つSR渋谷に対し、A東京は正中岳城、ブレンダン・レーン、小島元基のセカンドユニットがしっかりとポイントを積みあげた。
後半は28-38からスタート。先制の3ポイントを与え、開始3分27秒時点でリードを広げられたが、直後に伊藤駿のジャンプショット、サクレのバスケットカウントが決まって反撃を開始。必死のディフェンスから広瀬、前半無得点だったベンドラメ礼生も続いて一挙11得点の猛攻を見せ、残り3分24秒で43-45と追いあげる。それでも、要所で正中に決められると、終了間際に満原優樹がアンスポーツマンライク・ファウルを犯してしまい、7点ビハインドに戻されて最終クォーターへ。
第4クォーターは、再びサクレが攻撃を引っ張りA東京についていくと、開始4分6秒、相手エースの田中が右ひざを負傷しベンチへ下がるアクシデント。相手に不安な空気が漂うと、試合終了残り4分40秒からサクレ、伊藤の連続バスケットカウントが飛び出し、57-59とまたも2点差まで詰め寄る。しかし、直後に2本の3ポイントを含む痛恨の連続8失点を喫して振りきられ、そのまま8点差で勝利を逃した。
敗れたSR渋谷の勝久ジェフリーヘッドコーチは試合後、「昨日と同じ入り方になってしまった」と肩を落とした。それでも、「第3クォーターで勝つことができたのはプラスだった。出だしを除けば、全員がハードにディフェンスをして自分たちのスタイルを少しずつ取り戻すことができている」と、悔しい敗戦にも一定の手応えを口にした。
一方、ルカ・パビチェビッチHCは「互いに連敗中だったので、この2試合は本当に意味のあるビックゲームだった」と、ホームでの試合を振り返り、「メンタル的にもフィジカル的にもしっかりと準備ができ、パーフェクトではなかったものの我々が勝機をつかんだ結果、勝つことができた。選手たちはよく戦ってくれた」と、粘り強い相手に連勝した自軍を称えた。
同節を終えて、首位陥落の恐れがあったA東京は首位をキープしたが、SR渋谷は6連敗となり同日時点で地区5位に転落。「『やっていることは正しい』と信じてやり続けて、残りの18試合で自分たちに流れがくると確信を持って戦っていく」
そう指揮官が語ったように、残り3分の1からの巻き返しへ、今後SR渋谷がどのような戦いぶりを見せるのか。まずは次節、ホームの青山学院記念館で開催されるシーホース三河戦に注目したい。
【試合結果】
アルバルク東京 75-67 サンロッカーズ渋谷(@アリーナ立川立飛)
A東京 |16|22|14|23|=75
SR渋谷|9|19|17|22|=76
文=小沼克年