Bリーグ第24節、敵地で横浜ビー・コルセアーズ戦に臨んだシーホース三河は89-74で、1戦目に続いて勝利。名古屋ダイヤモンドドルフィンズが勝ったことで中地区優勝は次節に持ち越しとなったが、地区2位以上が決まりチャンピオンシップ進出は確定。14連勝の勢いで、名古屋Dとの直接対決となる次節での地区制覇決定を目指す。
試合の入りは、三河にとっては苦しかった。開始36秒で桜木ジェイアールがファウルを取られると、約3分後に再びファウル。比江島慎の多彩なオフェンスで試合を優位に進めるものの、第1クォーターをまだ3分以上残したところで桜木が3つ目のファウルを犯し、ベンチに下げざるを得なくなる。それでも橋本竜馬の連続得点で20-14とリードを保ち、第2クォーターも金丸晃輔らが得点を重ねるが、ディフェンスをジェフリー・パーマーと田渡凌にかき回され、つかず離れずのまま39-35の4点差で折り返す。
桜木がコートに戻った第3クォーターも、残り6分を切ったところで一旦追いつかれる苦しい状況。鈴木貴美一ヘッドコーチも「タイムアウトを取ろうか取るまいか迷った」というが、結局タイムアウトは取らず、桜木を起点にしたオフェンスで徐々に主導権を握り始める。横浜は川村卓也、細谷将司の3ポイントで食い下がるが、ディフェンスでは桜木と金丸をファウルで止めるのが精一杯。フリースローを確実に決めた三河が72-58とリードを広げて迎えた第4クォーターも、桜木やアイザック・バッツが着実に加点。計27得点の金丸を筆頭に4人が2ケタ得点をマークし、持ち前の得点力で横浜を退けた。
試合の分岐点となった第3クォーターについて、鈴木HCはタイムアウトを取らなかった理由をこう説明した。「我々が個人技に走って追いつかれたのではなく、打つべきシュートを打っていたし、相手は川村選手やパーマー選手の勢いでがむしゃらにやっていて息が上がった状態だった。必ず我々のリズムになるという流れでできていて、ただシュートが落ちていただけだったので、この良い流れを止めてはいけないと思ってタイムアウトを取らなかった。結果的にその後速攻も出てシュートも決まり始めて、我々のリズムになったと思います」
相手の勢いに飲まれそうになりながらも、鈴木HCは冷静な判断で選手にゲタを預け、チームを勝利に導いた。歴戦の名将に率いられ、昨季手の届かなかった優勝に向けて三河はひた走る。
【試合結果】
横浜ビー・コルセアーズ 74-89 シーホース三河(@横浜国際プール)
横浜|14|21|23|16|=74
三河|20|19|33|17|=89
文=吉川哲彦