8月3日、栃木ブレックスからオーストラリアのブリスベン・ブレッツへの移籍が決まった比江島慎の記者会見が都内で行われた。
会見場に現れた比江島は、改めて海外移籍決定を報告。続けて、アジア人選手枠としてオーストラリアリーグにチャレンジすることを強調し「(チームからすれば)外国人枠でもあり結果が求められるので、責任と自覚を持ってプレーしたい」と意気込みを述べた。今年で28歳となる比江島は、海外でプレーできるチャンスは「この歳がラストチャンス」と捉えている。「ある程度アジアで通用する自信は持っている。ただ、オーストラリアのような世界レベルの中で自信を得るためにも、海外に行くのはこのタイミングしかない」。
今回の海外挑戦に伴い、栃木との契約も一旦解除となった。ブレックスファンへは「申し訳ないですし、僕もプレーしたかった」と心境を吐露。それでも、「(ファンは)理解してくれてると思う。日本に戻ってきたときには栃木でプレーしたいですし、成長した姿を見せたい」と自身の決断に悔いはない様子であった。
移籍を報告した中で印象に残っている選手を問われると、同じ洛南高校、青山学院大学出身で1つ先輩にあたる辻直人(川崎ブレイブサンダース)を挙げた。「辻さんにはずっと相談に乗ってもらってましたし、『がんばってこいよ』って言ってもらったのでうれしかったです」と明かした。また、日本代表のフリオ・ラマスヘッドーコーチも「背中を押してくれた」と話し、「オーストラリアでも通用する。いい意味でリスペクトしないように」(ラマスHC)とアドバイスを受けたという。
ブリスベン・ブレッツが所属するNBL(National Basketball League)の2018-19シーズンは10月11日から開幕。そこから2019年の2月17日までに各チーム28試合を実施し、プレーオフに進出すれば3月末まで戦うこととなる。「僕のプレーを見ることは少なくなると思いますけど、日本代表に参加できたときは試合を見に来てほしい。1人で寂しいのでオーストラリアにも来てくれたらうれしいです」と、最後は日本のファンへ向けてメッセージを送った。
「日本人プレーヤーがBリーグから海外へ」という日本バスケット界の新たな道を切り開いた比江島。日本のエースがオーストラリアに衝撃を与える“HIEJIMA STEP”を披露する日は、そう遠くはないだろう。
文=小沼克年