昨シーズンBリーグチャンピオンに輝いたアルバルク東京が8月5日、ホームアリーナであるアリーナ立川立飛にて開催された「ALVERCARSフェスタ」。500名を超えるファン・ブースターと、選手やチームスタッフが同じ空間の中で触れ合い、共に楽しいひと時を過ごした。
トークショーやバスケットボール教室が開催されたり、選手自ら店員となってかき氷やドリンクを販売したり、さらにはブースでの写真撮影などが行われた。選手やチームスタッフも普段の凛々しい姿から一変し、リラックスした表情で貴重なファン・ブースターとの交流を楽しんだ。
特に盛り上がったのは、やはり選手のトークショー。キャプテンの正中岳城は、このオフシーズンの過ごし方を聞かれ「とにかくゆっくりできました。でも7月入ってからは奴が帰ってくる、ついに帰ってくると思うと少しソワソワしましたね」と、あの厳しいコーチを連想させるような発言で会場から笑いを誘っていた。さらには今シーズンのキャプテン就任に関しては「実は正式な要請もなく、練習が始まったらなんとなくいつも通りな感じでキャプテンになっていた」という秘話も披露。そして何と言っても正中選手といえば哲学的なスピーチで有名だが、その極意を聞かれ「緊張はあるけど、素直に自分の想いを伝えるようにしていて、自然体のままで言葉を発している」と、ここでも味のあるコメントを残していたのであった。
もう1人トークショーに登場したのは、ヒーローを目指しているザック・バランスキー。スイーツアンバサダーも務めている彼がオススメのスイーツを聞かれ、「この時期はやはりかき氷ですよ」と答えると、かき氷屋さんに扮していた齋藤拓実選手がコーラ味のかき氷を差し入れ。しかし、「好きな味は?」と聞かれると「黒蜜きな粉」と予想外の回答が出て会場からは驚きの声が上がっていた。そして、「人生最後に食べるとしたら何?」という質問には「お母さんの作るチーズケーキ、どこのお店よりも一番美味しい」と、ここでもスイーツが登場したのである。他にも馬場雄大選手が甘いものがあまり好きではなく、味噌汁が凄く好きという話や自身がバスケットボール選手になっていなかったらパイロットになっていただろうという話まで飛び出し、大いに盛り上がった。
アリーナ内で様々なイベントが行われていた中で、1人だけ炎天下の中で大量の汗をかきながらファン・ブースターにかき氷を振る舞っていたのが、先ほど挙げた齋藤拓実選手。入り口から出たすぐの場所に構えられた特設かき氷屋さんの前で、ファン・ブースターに対して爽やかな笑顔を絶やさず、かき氷を振る舞い続けた。その長蛇の列は途切れることを知らず、大人気のブースの1つであったのである。
最後にはキャプテンの正中選手からあいさつがあり、楽しい時間はあっという間に終了となった。ファン・ブースターはもちろんのこと、選手やチームスタッフも非常に最後まで笑顔が絶えない素敵な空間だったことをここに記しておきたい。
初めての試みとなったイベントは、ある意味「決起集会」になったに違いない。ここから挑む、連覇に向けた厳しい戦い。その前に英気を養う、貴重な時間となった。
文=鳴神富一