9月7日から全国6会場で開幕した「B.LEAGUE EARLY CUP 2018」。大会最終日の9日、ブレックスアリーナ宇都宮で行われた「B.LEAGUE EARLY CUP 2018 KANTO」決勝戦は、アルバルク東京の連覇で幕を閉じた。
A東京は準決勝に続きジャワッド・ウィリアムズをエントリーから外し、新戦力のミルコ・ビエリツァをスターティングファイブに抜擢。試合序盤、栃木ブレックスはジェフ・ギブス、A東京はアレックス・カークのインサイドから得点を積みあげる。開始4分34秒、正中岳城に代わってコートへ入った小島元基がフリーで3ポイントシュートを射抜くと、カークにも3ポイントが飛びだしてA東京が一歩リード。栃木も必死にゴールへアタックするも、A東京の守りが上回り、14-21で最初の10分間を終えた。
第2クォーターは、田臥勇太が3ポイントで返し栃木が先制したが、ビエリツァ、カークに得点を許して一時10点差まで広げられる。しかし、中盤以降は失点を抑えると、渡邉裕規、遠藤祐亮、ライアン・ロシターのアウトサイドで追いあげ、残り1分10秒時点で34-33と逆転に成功。同24秒には田臥の好アシストにロシターが応え、栃木3点リードで試合を折り返した。
後半、栃木はロシターが得点を伸ばしてチームをけん引。持ち前の堅守で流れを呼びこもうとするが、審判の笛に嫌われファウルがかさむ。対するA東京は与えられたフリースローのチャンスをものにしてついていき、終始互角の展開に。53-52で第3クォーターを終え、勝負の10分間へ突入した。
第4クォーターは先に栃木が仕掛ける。竹内公輔が連続得点を奪って5点のリードを作る。A東京はタイムアウトで立て直しを図ると、開始4分39秒にベテランの菊地祥平がギブスから4つ目となるファウルを誘ってバスケットカウントをマーク。しかし、直後に栃木の渡邉が3ポイントを沈めて、5点差のまま試合は終盤へ。
64-61で迎えた試合終了残り3分35秒、A東京はビエリツァの3ポイントが決まり同点に追いつく。栃木は同2分51秒からロシターのフリースロー、遠藤祐亮のジャンプショットで再び離したが、A東京は渡邉のアンスポーツマンライクファウルで得たフリースローと、小島元基の値千金の3ポイントが決まり、同34秒で試合をひっくり返した。栃木は再逆転を狙ったラストショットを立て続けに放ったが、ことごとくリングに嫌われ、最終スコア72-70で無念のタイムアップ。
日本代表候補メンバーの離脱で、8名で戦い抜いたA東京。ルカ・パヴィチェヴィッチヘッドコーチは「栃木のホームアリーナでのアウェイゲームだったにも関わらず、選手たちは本当に最後まで戦ってくれました」と称え、来月に迫った開幕へ向け、「Bリーグもどんどん力が上がってきていますし、特に東地区は強豪ぞろいですので、レギュラーシーズンもしっかり臨みたい」と試合後のインタビューでコメントした。
Bリーグ王者同士の対決となった好ゲームは、敵地の大ブーイングを跳ね返した昨季チャンピオンのA東京が制し、アーリーカップ連覇を成し遂げた。
■試合結果
栃木ブレックス 70-72 アルバルク東京
栃 木|14|22|17|17|=70
A東京|21|12|19|20|=72
文=小沼克年