10月21日、アルバルク東京と川崎ブレイブサンダースとの第2戦は、A東京が第2クォーターの川崎の得点を8に抑えるなど、試合を通じて持ち前のディフェンスで川崎を圧倒。第1戦と合わせて2連勝して、10月17日、栃木ブレックスに延長戦の末敗れたことを完全に払しょくさせるものになった。
「完敗でした」
試合後、会見場に現れた川崎の北卓也ヘッドコーチは開口一番にコメント。さらに「46得点では勝てない。前半、あれだけのディフェンスを(A東京に)されたのに、自分たちはフリースローが0。A東京の1対1のディフェンスに対して戦う気持ちがなかった結果だと思う。後半、少しは気持ちを見せてくれたが、昨日、今日とあれだけのディフェンスをされてしまっては……」と、2日間、A東京のディフェンスを打ち破れなかったことを敗因として言及した。
互いに激しい守り合いの中で始まったA東京と川崎の第2戦。A東京は川崎のミスを誘発させ、前半だけで相手のターンオーバーから13得点を挙げてリードを奪う(川崎は2点)。加えて、オフェンスリバウンドからの得点も6-2とこの面でも圧倒した。
後半に入ってもA東京は戦う姿勢を崩さない。第3クォーターには川崎の辻直人に3連続得点を決められる場面もあったが、その後、アレックス・カーク、馬場雄大が速攻でダンクをたたき込み、つけいるスキを見せない。A東京は第4クォーターにこの試合で最大となる9-0のランを見せて、川崎を完膚なきまでにたたきのめした。
戦う姿勢を敗因にあげた北HCだが、「また水曜日に試合があるので下を向いている時間はない。(ニック)ファジーカスが戻ったとはいえ、まだ十分練習ができておらずかみ合ってない部分もある。練習するしかない」と前を向いた。
一方、A東京のルカ・パヴィチェヴィッチHCは「リーグでもトップクラスの実力を持つ川崎を相手に、2試合連続でいいディフェンスをしてくれた。チームとしてよく戦ってくれたと思う」と満足した表情を記者会見で見せた。安藤誓哉と2人でA東京の攻防をコントロールする存在である小島元基がケガのため欠場を続けているが、それをカバーした齋藤拓実の出来についても満足できるものだったようだ。
「川崎の篠山(竜青)、藤井(祐眞)という代表クラスのガードとマッチアップしたにもかかわらず、齋藤は十分役割を果たしてくれた。相手に仕事をさせなかった。自信になったはず」と、ルカHCは期待を寄せた。
ただし、ルカHCは「ファジーカスはまだ本調子ではないし、新外国籍選手ともかみ合っていないと言える。しかし、徐々にステップアップしてくるはず。完成度を高めてくるはずだ」と、川崎に対して警戒を緩めない。「川崎の武器である流れるようなオフェンス、ムーブメントはこの2試合では見られなかった。しかし、これからケミストリーを構築してくるはず」。
A東京と川崎との一戦は来月の11月10日、11日に川崎のホーム、とどろきアリーナで組まれている。それまでに川崎がどれだけチーム力をアップしてくるか。今シーズンの優勝争いを占う意味でも、川崎の奮起に期待が集まる。
文=入江美紀雄