アルバルク東京はアリーナ立川立飛にて京都ハンナリーズと対戦。23日に行われた試合では京都の大黒柱ジュリアン・マブンガに27得点14アシストを許し、85-87で敗れたA東京。得点力、ゲーム支配力でリーグ有数の力を持つマブンガをチームとしてどう封じることができるのかが勝負の分かれ目となる。
試合は序盤から激しいプレッシャーをかけてペースを握ったA東京が、京都の猛追をかわし、85-82とシーソーゲームを制し、前日の試合のリベンジを果たすことに成功した。23日のゲームは序盤のもたつきを試合終盤に挽回してあと一歩まで京都に追いすがった試合展開となったが、この試合は真逆の展開。この日の主役となり、一時は19点差をつけて優位にゲームを進めるA東京を、すんでのところまで追い詰めたのは、やはりリーグ屈指のオールラウンダー、マブンガだ。マブンガはこの試合で、ほぼフルタイムにあたる39分弱の出場で、3ポイント5本を含む41得点を挙げ、5リバウンドに加えて9アシストを記録。序盤こそA東京の竹内譲次のマークに苦しむ姿を見せたものの、その後はマッチアップした竹内とミルコ・ビエリツァを中に、外にと振り回しファウルトラブルへと誘いこむと、ゲームを完全に支配した。試合後の会見でA東京のルカ・パヴィチェヴィッチヘッドコーチが「どっちに転んでもおかしくない試合だった……」と語ったとおり、なんとか薄氷を踏む思いで勝利を手にしたチームの中で、重要な任務を果たしたのは日本代表にも名を連ねる竹内だ。竹内は難敵に振り回されながらも、9得点10リバウンドを挙げ、試合の最終版、大事な局面で3ポイントを沈めるなど勝利に貢献し、なんとか最低限の仕事を果たしてみせた。
試合後、取材に応じた竹内はマッチアップしたマブンガについて、「なんでもできる選手ですし、チームリズムを作ることができる選手。逆にそこをしっかり抑えられれば、昨日の試合も、今日の試合も勝てると思っていました」と京都の要を抑えるミッションについて改めて振り返ると、「試合の入りはうまく守れていたが、(中盤以降)1つ上を行かれた印象……。点差がついてからは、彼に勢いよくプレーされてしまい、そこをうまく抑えることができなかった」と反省を口にした。
今シーズンからのオンザコートルール(外国籍選手がコートに立つことができる時間帯に制限を設けるルール)の変更により、能力の高い外国籍選手とのマッチアップが増えたことについては、個人としてもチームとしても与えられた環境でしっかりと結果を出すことで、能力を伸ばす機会だと語る竹内は、「その環境を楽しむくらいの余裕を持ってプレーをしたい」と述べつつも、今はチームの成績も含め、決して余裕があるわけではないと言う。平日開催も増えたBリーグの日程に加えて、日本代表の招集もあり、肉体的にも精神的にもタフさが求められる竹内だが、33歳になった今でも彼の成長は必要不可欠だ。
日本代表に目を向けると、マブンガのようにインサイド、アウトサイドに万能なフィジカルもスキルも備えた選手と対等にマッチアップできるのは、海外を活躍の場とする八村塁(ゴンザガ大学)、渡邊雄太(メンフィス・グリズリーズ)を除くと竹内しかいないだろう。若い2人が招集できるかどうかに一喜一憂せずともいいような安心感を竹内が日本代表にもたらすことができるのか。タフな外国籍選手とのマッチアップがもたらすさらなる成長に期待しよう。
文=村上成