B1リーグ第35節第1戦にて、川崎ブレイブサンダースは新潟アルビレックスBBに78-80で敗戦し中地区優勝を逃した。続く4月14日の第2戦、地区優勝の可能性こそなくなったものの、レギュラーシーズンホーム最終戦ということもあり、ファンのためにも川崎は勝利を届けなければならなった。しかし、結果は10点差で敗戦。シーズン20敗目を喫した。
川崎はこの試合、「あそこまで3ポイントが入ると思ってなかったので対応に苦労しました」と北卓也ヘッドコーチが振り返ったように、新潟のアマンゼ・エゲケゼに7本の3ポイントを含む計34点を献上。さらにはニック・ファジーカスとバーノン・マクリンが4ファウル、3点ビハインドで迎えた第4クォーター終盤に藤井祐眞がアンスポーツマンライクファウルを宣告させるなど、ファウルトラブルに苦しんだ。チームを束ねる篠山竜青は試合後、「(審判の)笛と戦ってしまったかなと。激しいボディコンタクトのあるインサイドの攻防の中で、うちの方が早くフラストレーションを溜めてしまった」と敗因を分析。第1戦で地区優勝を逃したショックもあり、「非常に難しいゲームになった」というが、キャプテンとして「もう1つチームを引っ張る力が発揮できなかった」と悔しさをにじませた。
昨シーズンは千葉ジェッツやアルバルク東京などがひしめく東地区に所属していたが、結果的に2年連続で地区優勝に手が届かなかった川崎。篠山は「僕らが持っている力だったり、(戦力がそろう)メンバーを考えると非常に悔しいですし、恥じなければいけない結果。そこに対してはすごく責任を感じています」と受け止めている。
川崎が今季勝ち星が思うように伸ばせなかった原因の1つには、「勝負どころでオフェンスリバウンドを取られてしまう」と篠山が話すように、リバウンドの部分にある。今シーズンはトータルリバウンド数において現在B1で14位の成績(2091本)となっており、オフェンスリバウンドに関しては485本で18クラブ中17位とさらに低迷。昨シーズンに目を向けると、計701本で3位のオフェンスリバウンドを記録している。篠山は、自身に加え辻直人とファジーカスが日本代表活動によりチームを離れることが多く、「なかなかチーム練習に参加ができなかったことが非常に苦しかった」と話す一方で、「リバウンドを1本できちんと抑えていれば、もっと違った展開になった試合がたくさんあります」と指摘する。
「やっぱりそこを全員でやらなきゃいけないと思います。余計なことを考えず、もう1回シンプルな部分を残りの期間で詰めていきたい」
篠山がレギュラーシーズンホーム最終戦で「結果で恩返しさせてもらいたい」と4183人の前で口にした言葉を現実にするには、リバウンドが1つのカギとなるだろう。チャンピオンシップ初戦となる「B.LEAGUE QUATERFINALS 2018-19」の相手は、初代Bリーグ王者を決勝の舞台で争い、今季トータルリバウンド数1位の栃木ブレックスだ。
文=小沼克年