「我慢」して勝ち取ったCSへ、今を見据える安藤周人「悔いのないように全力で」

名古屋Dのエースに成長した安藤 [写真]=兼子慎一郎

 昨季に続いての「B.LEAGUE CHAMPIONSHIP 2018-19」進出は、これも昨季に続く大激戦を制してのものだった。レギュラーシーズン最終節、1戦目の勝利でCS進出を決めた名古屋ダイヤモンドドルフィンズは、続く2戦目も勝利を収めて西地区2位での進出。クォーターファイナルは、やはり昨季と同じ琉球ゴールデンキングスとのアウェー戦となる。昨季とほぼ同じ流れできている中、唯一変えなければならないのはもちろん勝敗の結果だ。

 チームを代表して22日のCS会見に登壇した安藤周人は、今季のチームの戦いぶりを表すフリップに「我慢」と書き入れた。粘り強く戦って勝ち取ったCSの舞台でも、そのスタイルは不可欠。改めて「我慢」にフォーカスするという点でも、相手が琉球になったことを安藤は歓迎しているようだ。

「嫌なところで3ポイントを決めてくることが今季の6試合の中で何回もあったので、まずはそこを抑えないといけないですし、ハードなディフェンスに対して自分たちが集中力を切らさずに我慢できるかどうかも大事になってくるので、CSの最初の相手が琉球で良かったかなと思います」

 一口に「我慢」と表現しても、それは必ずしも数字に表れる部分ではない。レギュラーシーズンをチーム一丸で戦った中でも、その「我慢」を最も体現したのは、安藤によれば中東泰斗だという。

「全員を見てほしいんですが、特に1人挙げるとすれば中東選手。外国籍選手がリバウンドを取る手伝いをしたり、体を張ってディフェンスしたり、スタッツに残らないところでがんばってくれている。CSでも確実にキーマンになります」

 60試合に及ぶ長丁場で、幾度となく壁にぶつかりながら勝ち残った名古屋D。その60試合すべてにスターター出場した安藤が見据えるのは、未来ではなく今だ。

今季は1試合平均14.6得点を挙げ、40.8パーセントの確率で3ポイントシュートを成功 [写真]=B.LEAGUE

「優勝と言いたいところですが、先のことを考えるよりも目の前の相手を倒すこと。一戦一戦悔いのないように全力で戦って、自分たちのバスケを展開できればと思います」

文=吉川哲彦

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