新潟アルビレックスBBは昨季わずかに手の届かなかったチャンピオンシップに到達したばかりか、45勝15敗の高勝率で中地区優勝を果たし、「B.LEAGUE CHAMPIONSHIP 2018-19」では第2シードに入った。クォーターファイナルの相手はワイルドカード上位で第7シード扱いながら、昨季王者のアルバルク東京という高い壁。しかし、勢いだけではない地力の強さを手に入れた今季の新潟に恐れるものはない。
昨季から計6度の対戦で4勝2敗というA東京との相性の良さは、自信を持って決戦に臨める要因の1つ。ところが、五十嵐圭は意外なことに「僕は相性がいいとはあまり考えていないんです」と語る。
「攻守ともすごく徹底されているいいチーム。レギュラーシーズンとCSでは戦い方も違ってくると思いますし、自分たちにとっては初めてのCSでもあるので、対戦成績を考えてはいけないと思います。ただ、レギュラーシーズンと同じなのは目の前の試合を大事に戦うということ。それだけを頭に入れて臨みたい」
その新潟の軸はもちろん、2シーズン連続得点王のダバンテ・ガードナー。チーム全体がステップアップした中でも、「彼がこの結果をもたらしてくれたと思うので、引き続き注目してください」と五十嵐が言うとおり、CSでもその存在感は大きくクローズアップされるはず。A東京の強固なディフェンスを崩せるかどうかはガードナー次第だ。
A東京を破ることができれば、ファイナル進出やリーグ制覇も現実味を帯びる。そのためにも五十嵐はクォーターファイナル突破にフォーカスする。
「もちろん優勝を目標にしていきたいですが、まずは目の前の試合をしっかり戦うこと。シーズンを通して自分たちが身につけてきた我慢強さを発揮できればと思います。また、ブースターの皆さんと一体になって戦えるのが我々の一番の強み。ホームで戦えるのは本当に心強いです」
五十嵐がチームを引っ張り、ブースターの後押しでさらに加速する新潟はCSでも旋風を巻き起こすことができるか。
文=吉川哲彦