天皇杯こそ3連覇を達成したもののBリーグでは優勝がなく、昨季は東地区王者としてファイナルまで駒を進めながらもアルバルク東京にまさかの大敗。52勝8敗でリーグ最高勝率の記録を更新した今季、チャンピオンシップにかける千葉ジェッツの思いは他のどのチームよりも強いに違いない。
しかしながらチームの要である富樫勇樹は、1つのミスが命取りになりかねないサバイバルに臨むにあたり、気を引き締める。
「うちは急成長しているチーム。一昨季は天皇杯は優勝しましたが、まだ他のチームと肩を並べているわけではなかった。そこから強くなったと思いますし、今季こそはという思いもありますが、だからといって簡単に勝てるリーグでないことはみんなわかっている。一つひとつ戦っていきたいと思います」
その富樫が活躍を期待するのは、いずれもベンチスタートの田口成浩と原修太だ。富樫曰く「層の厚さが千葉の武器」。スターターが抜群の安定感を誇るだけに、2人の活躍がチームにプラスアルファをもたらすとにらんでいるようだ。
阿部とのマッチアップにも注目[写真]=B.LEAGUE
最初の相手である富山グラウジーズは最後の1枠に滑りこんだチームとはいえ、「やっぱりオフェンス力の凄さが一番に頭に出てくる」と富樫も言うように怖さを秘めている。そして、昨季ともに戦った阿部友和とレオ・ライオンズが富山のけん引車となっていることも忘れてはならない。
「2人とCSの舞台で戦えることはすごくうれしいですね。2人も千葉で対戦できるということでかなりのモチベーションを持って臨んでくると思うので、僕たちもしっかり戦いたい」
「もちろん最終的には優勝が目標」という富樫。その目標を達成しない限り、これまで突っ走ってきたそのスピードを緩めることは全く考えていない。
「シーズンで積み重ねてきたものを出して、CSでも1試合ごとにさらに成長できるようなチームでありたい。クォーターファイナルの初戦から、持っているものをすべて出していきたいです」
文=吉川哲彦