第92回天皇杯・第83回皇后杯(オールジャパン2017)は9日にいよいよ最終日を迎える。男子決勝は、3年ぶりの優勝を期す川崎ブレイブサンダース(Bリーグ1)と初優勝を狙う千葉ジェッツ(Bリーグ7)の対戦となった。
3度の優勝経験を持つなど長い歴史を誇る1950年創部の強豪と、創部6年でベスト4進出すら今大会が初めてという新鋭。対照的なチームが“日本一”を懸けて争う。
10日前にBリーグレギュラーシーズンで対戦したばかりの両者だが、この時は2戦とも川崎が序盤から大量リードを奪い、終盤の千葉の猛攻をしのいで逃げきった(12月30日96-90、31日84-82ともに川崎が勝利)。千葉の大野篤史ヘッドコーチはこの試合の反省を受けて、「ディフェンスで我慢しつつ、オフェンスのテンポを生むという流れを40分間徹底できるかがカギになる」と話す。
司令塔の富樫勇樹は、「リーグトップ」と評する川崎のディンフェスを打ち破る策の一つに、前年度王者シーホース三河(Bリーグ3)との準決勝で大きな威力を発揮したピック&ロールを挙げた。「川崎は三河と似たタイプ。崩せるポイントだと思う」(富樫)
一方、川崎の北卓也HCは、今大会は守備面で好調を維持している栗原貴宏、藤井祐眞ら控えプレーヤーに「彼らがアクションを起こすことで、ニック(ファジーカス)や辻(直人)がシュートを打てるようになる」とオフェンス面での活躍を期待。藤井も「自分と栗さんが3ポイントを1人で4、5本決められたら、もっと強いチームになれる。自分たちがチームを引っ張っていきたい」と同じ想いだ。
Bリーグ開幕を受けてか、今年のオールジャパンはコートや演出が一新し、より華やかなものとなった。1つ目の冠を手にし、リーグ後半戦に大きなはずみをつけるのはどちらのチームか。運命の決勝は9日14時、ティップオフだ。
文=青木美帆