体を張ってリーダーシップを発揮した千葉のキャプテン小野、顔に負った傷は「勲章」

千葉を初優勝に導いたキャプテンの小野龍猛 [写真]=大澤智子

 1月9日、第92回天皇杯・第83回皇后杯(オールジャパン2017)の男子決勝が国立代々木競技場第一体育館で行われ、千葉ジェッツ(Bリーグ 7)が川崎ブレイブサンダース(Bリーグ 1)に88-66で勝利。創立7年目にしてクラブ初のタイトルを獲得した。

 大野篤史ヘッドコーチから「(大会をとおして)リーダーシップを発揮してくれた」と絶大な信頼を寄せられるキャプテンの小野龍猛は、約22分間の出場で8得点2リバウンド3アシストを記録。攻守で体を張り、タイラー・ストーン富樫勇樹らの持ち味を引きだした。試合後、右目上あたりに切り傷があり痛々しかったが、本人は「それだけ自分が厳しくマークされていたということ。光栄だし、試合に勝った時はこの傷が勲章になる」と笑顔で返した。

 小野はキャプテンとして短期決戦のオールジャパンでチームを優勝に導いた。「全員でディフェンスして、全員でリバウンドを取って、速攻で走って、本当にジェッツらしいバスケットで優勝できた」と振り返る主将は、個性派集団をどうやってまとめあげたのか。「悪い時は言うけど、いい時は好きにやらせる。本当にそれだけ」

 もともと「自分はキャプテンに向いてるとは思ってない」ため、「チームを良い方向に向かせるだけ」と過剰に前には出ず、最低限の“軌道修正”を行っているという。ただし、言う時ははっきりと言う。「もちろん、自分がしっかりやった上で言うようにしている」。決勝の川崎戦でも、2点ビハインドとなった第1ピリオド終了後に「ディフェンスをしっかりやろう」という大野HCの指示を、改めてチームメートに伝えたという。結果、第2ピリオドでは19-7と失点を1ケタに抑え、チームは勢いづいた。

「ジェッツには決勝を経験した選手がいないし、自分自身も一度出たけどベンチに座ってただけだった(トヨタ自動車アルバルク時代の2012年大会)。経験はないけど、自分は気持ちが強い方が勝つと思って戦い、実際に勝つことができた」。その想いは仲間へ行きわたり、千葉はチーム一丸となってまさに気持ちで戦い続け、勝利を手繰り寄せた。

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