9月22日、テリフィック12は準決勝2試合が行われ、第1試合で予選グループA1位の名古屋ダイヤモンドドルフィンズとグループC1位の琉球ゴールデンキングスが対戦した。名古屋Dのスタート5は小林遥太、マーキース・カミングス、安藤周人、中東泰斗、クレイグ・ブラッキンズ、琉球が並里成、ジェフ・エアーズ、岸本隆一、ジョシュ・スコット、古川孝敏、そしてこの試合からアイラ・ブラウンがベンチに入り。琉球はフルメンバーがそろった。
ティップオフ直後、岸本の3ポイントで先行した琉球は持ち前のディフェンスを見せ、名古屋Dに思いどおりのプレーをさせない。名古屋Dが攻めあぐねる中、琉球は古川のジャンプシュート、エアーズの3ポイントが決まり、一気にスパートするかに思われた。しかし、フリーな状況を作って放たれるシュートが入らない。第1クォーター、琉球は名古屋Dのフィールドゴールを2本にとどめて成功率も12.5%に抑えるが、自分たちも成功率が36.4%と上がっていかなかった。
第2クォーターに入っても琉球のシュート成功率がなかなか上がらない。反対に名古屋Dは琉球の圧力にもがきながらもタフショットを決めていくようになった。25-9と琉球はそこまでで最大のリードを奪うが、名古屋Dは菊地真人がスティールから速攻を決めると点差は10に縮み、琉球の佐々宜央ヘッドコーチはタイムアウトを請求し、試合をいったん止めるしかなかった。タイムアウトが解けた後、琉球はスミスがお返しの速攻、ブラウンのゴール下、さらには田代直希が3ポイントを決めて名古屋Dを引き離し、前半を36-23で折り返した。
第3クォーターに入っても琉球はオフェンスで苦しむ。琉球は途中4分32秒も得点できない時間帯を作ってしまうものの、堅固なディフェンスは名古屋Dの得点を抑えてリードをキープする。最終クォーターもロースコアの展開は続き、琉球は2桁リードを維持しつつ、何とか試合を終えることに成功した。最終スコアは66-48で琉球が勝利。名古屋Dの得点を50点以内に抑えたことは評価できるが、もっと点差を広げられる試合内容だったと言えるだろう。
「完敗です」と記者会見で開口一番に語ったのは名古屋Dの梶山信吾ヘッドコーチ。「終始琉球さんのペースで、いいディフェンスに苦しみました。自分たちに流れが来る場面もあったが、フリースローが10/25では波に乗れない」と反省を口にした。「でも自分たちには開幕までまだ時間がある。今日の負けをしっかり見つめて、切り替えたい」と、最後はポジティブに語った。
琉球の佐々HCは「しっかりと守れた」と語る一方、「今大会は乗れている人間とそうでない人間がいて、シュートが単発になりがち。インサイドを中心に攻めさせようとしたら、今度は自分たちでスペースを消してしまった」と、こちらも反省のコメント。「アイラが入ると層が厚くなる反面、プレイングタイムのバランスも変わり、今日はそれにチームで対応できなかったかもしれない。ヘッドコーチとしてそれをコントロールできなかった」と、自身の采配を課題にあげていた。
決勝に進出した琉球は9月23日午後8時(現地時間7時)よりCBA(中国プロバスケットボールリーグ)の広州ロングライオンズと、3位決定戦を戦う名古屋DはKBL(韓国バスケットボールリーグ)のソウル三星サンダースと対戦する。テリフィック12はいよいよ最終日を迎える。両チームとも多くの収穫を得て帰国したいところだ。
文=入江美紀雄