B.LEAGUE ALL-STAR GAME 2019は、1月19日、富山市総合体育館で開催される。今回で3回目を迎えるオールスターゲームは、過去2回、斬新な演出やハイテク技術を詰め込んだパブリックビューイングなどで、多くの人の度肝を抜いたことは記憶に新しい。そして、今回、B.LEAGUEはオールスターゲームの総合演出プロデューサーとしてアーティストの加藤ミリヤ氏に白羽の矢を立てた。アーティストとしてパフォーマンスを見せるだけでなく、自身のライブの演出も手掛けているという加藤ミリヤ氏がどんな演出でファンを楽しませてくれるのか? 直撃インタビューでその一端を探っていきたい。
取材協力=B.LEAGUE、ソニー・ミュージックエンタテインメント
バスケの魅力は唯一無二の世界観
――まず、B.LEAGUEのオールスターゲームの総合演出プロデューサーを引き受けられた理由を教えてください。
加藤 2012年のロンドンオリンピックの時にいくつかのお仕事をいただいたのですが、その当時、自分と同じ年代の選手たちが活躍されていて、それがスポーツに興味を持つきっかけでした。皆さんのお話を聞いてびっくりしたのが、練習や移動の際に音楽を聴いているということと、しかも日本の歌を聴かれているということです。それがとてもうれしくて。そこからスポーツと音楽をどのようにコラボレーションするかを考えるようになっていたのです。
――バスケットボールは世界的に見ても音楽と親和性の高いスポーツです。
加藤 私は元々ブラックミュージック、その中でもヒップホップが大好きで音楽を始めたのですが、ヒップホップの周辺にはバスケットボールが好きな人が多く、以前から親近感を持っていたのは事実です。アメリカのNBAでも多くのミュージシャンが年間でシートを購入していたり、ジェイ・Zのように共同オーナーを務めている人もいます。バスケットボールのコートサイドがアーティストの社交場であったりもするので、昔から憧れの場所でした。
――演出の内容をお話しいただける範囲で教えてください。
加藤 今回が3回目の開催ということで、『3』をキーワードにストーリーを膨らませていこうと思っています。3にはその数字が持つ意味だけでなく、“ホップ・ステップ・ジャンプ”や“現在・過去・未来”のように表現することも可能です。また、昨シーズンのBリーグファイナルを観戦した時に思ったのが、女性が多いということ。私が指名された理由の1つにもあると思いますが、様々なシーンを盛り上げるのには女の子のパワーも必要なので、それも盛り込んでいこうと思っています。ただ、あくまでも主役は選手の皆さんです。私たちパフォーマンスをする人間はオールスター全体を盛り上げる要素である、という部分はマストですね。当初、ハーフタイムショーも考えたのですが試合が始まれば、もうそこは選手の皆さんの舞台です。私たちは試合が始まるオープニングのところで、ファンの皆さんの楽しい気持ちを盛り上げる役目に徹したいと思います。そこも1つの挑戦です。
――スポーツの演出は普段のライブとは違うのではないかと思うのですが。
加藤 はい。今回はすべてを任せていただいて、自分の音周りや振付、映像のスタッフをそのまま連れていけるので、楽しみにしていてください。それにしてもBリーグさんはすごいと思います。よくここまで任せていただいたと感心しています。いろんな方々からアドバイスをいただき、準備を進めています。
――改めてバスケットボールの魅力は?
加藤 最も親近感があり、エンターテイメント性のあるスポーツだと思っています。それに何と言っても一番クール! 単純に誰が観てもかっこいいと思える世界観が唯一無二だと思ってます。
――最後にファンの皆さんへメッセージをお願いします。
加藤 Bリーグは毎回毎回新しい挑戦をされてきました。今まで過去2回観てきた方が「今まで以上に楽しかった」と言っていただける、ワクワク感ドキドキ感と、音楽と選手がより近い位置にいる演出ができたらいいなと思っています。ぜひご期待ください。
取材・文=入江美紀雄
写真=兼子慎一郎