4年目を迎えるBリーグが新シーズンに掲げたテーマは「NEWNESS(ニューネス)」。昨季の新人賞・岡田侑大(シーホース三河)は、開幕に先駆けて行われた「B.LEAGUE TIPOFF カンファレンス2019」の場で、今季の個人テーマに「NEW Position」を掲げた。
「ポイントガードに挑戦したいです」
拓殖大学を中退し、昨年11月にプロの世界に飛びこんだ当時20歳の岡田は、三河加入後は主にシューティングガードでプレーしていた。その中で計40試合に出場して411得点(1試合平均10.3得点)をマークするなど、Bリーグでも持ち前の個人技と得点能力を発揮した。瞬く間に三河の中心選手となり、特別指定選手ながら新人賞まで駆けあがった。
昨シーズンと同じような活躍ができれば、岡田は引き続きチームをけん引する存在となれる。しかし、今季の三河は積極的な補強でメンバーを入れ替え、オフェンスがより強力になった。中でも川村卓也、ダバンテ・ガードナーという“オフェンスマシーン”の加入は、岡田にとっても大きな刺激になったようだ。岡田は、会見でポイントガード挑戦を公言した理由をこう話す。
「やっぱり川村さんとガードナーというオフェンス能力が高い選手が入ってきたことが大きいですし、(鈴木貴美一)ヘッドコーチからも『準備しておけ』と言われています。金丸(晃輔)さんと川村さんがウィングにいて、ガードナーがインサイドにいる中で自分がポイントガードをしたいという思いは強いです」
もっとも、岡田がポイントガードを担うということは、選択肢の1つに過ぎない。熊谷航、新加入の長野誠史、會田圭佑のポイントガードを本職とする選手もいる。いずれにせよ、自らペイントエリアへ切りこめるドライブが「自分の仕事」(岡田)になるが、「ペイントアタックからパスができれば、チームとしてもいいバスケットになると思っています」と、すでにイメージは膨らんでいる。
オフェンス面では1年目からある程度通用した岡田だが、ディフェンスについては、現在も多くの課題を抱えているという。「チームでの決まりごとなどは理解できましたけど、プロレベルでのピックやスクリーンを外すのは困難です。まだまだ時間がかかるかもしれません」。
「チームメートが半分以上変わった中で、ケミストリーやコミュニケーションが大事になってきます。自分はまだ若手ですけど、しっかりと発言をしたり、行動でもチームを引っ張っていきたいなと思います」
プロとして初めて開幕からプレーする2019-20シーズンは、岡田にとってどんな1年になるのだろうか。もちろん、司令塔としてチームメートたちを操る岡田侑大も見てみたい。
文=小沼克年