“新生”サンロッカーズ渋谷のゴール下を支えるチャールズ・ジャクソン「今の仲間を誇りに思う」

SR渋谷を支える新外国籍選手のジャクソン[写真]=B.LEAGUE

 10月23日、ここまで開幕5連勝中のサンロッカーズ渋谷が、宇都宮ブレックスに最終スコア81-91で敗れて初黒星を喫した。

 今シーズン計7名の選手が新加入したSR渋谷は、最終的に外国籍選手もライアン・ケリーのみが残留。新たにスペイン出身のセバスチャン・サイズとアメリカ出身のチャールズ・ジャクソンが加わった。伊佐勉ヘッドコーチは「理由は2030年くらいになったら伝えます(笑)」と冗談を交えて起用法の明言を避けたが、3名の外国籍選手はここまでローテーションで試合にエントリーされており、それぞれ4試合ずつ出場機会を得ている。

 宇都宮とのB1リーグ第5節で出場メンバーに名を連ねたのはケリーとジャクソン。両選手ともに先発出場を果たしたが、試合開始からジャクソンの動きが悪かった。序盤からボールが手につかずパスミス、キャッチミスを犯すと、開始2分12秒にはポストプレーから相手をかわしたものの、ゴール下のシュートを落としてしまった。

 この直後、伊佐HCは「ちょっと気負いすぎていると思ったので、ワンテンポ置かせました」と30秒だけジャクソンをベンチへ下げ、「気負い過ぎじゃないか? 普通にやれ」と声をかけた。すると、再びコートへ戻ったジャクソンは「あれで気持ちが切り替えられました」と本来のプレーを取り戻し、第1クォーターで6得点を記録。追いかける展開となった第4クォーターでは、チームメートのベンドラメ礼生が「ジャクソンに(ボールを)持たせました」と話したように、攻撃の中心となって13得点をマークし、試合をとおして計28得点14リバウンドを挙げた。

 試合には敗れたものの、ジャクソンは得点、リバウンドともに加入後最多のスタッツを記録。しかし、試合後に自身の出来について問われると、「自分がオープンになっているところにしっかりチームメートがパスをくれた。自分はただやるべきことをやっただけですし、自分がこういう成績を残せたのはチームメートのお陰です」と仲間を称えた。

現在26歳のジャクソンは、これまでオーストラリアやトルコ、ドイツなどでもプレーしていた
[写真]=B.LEAGUE

 208センチ102キロの体格、それに加えてドレッドヘア——。一見近寄りがたくも見えるジャクソンだが、インタビューにも気さくに応えチームの勝利を第一に考えられる選手だ。「とにかく求められたことをしっかりやるのが自分の仕事。体を犠牲にしても、ダイブが必要な時はダイブするし、スクリーンが必要ならそれをやります」。

 40分間プレッシャーをかけ続け、強度の落ちないディフェンスを強みとする今シーズンのSR渋谷において、ジャクソンはオフェンス面、とくにペイントエリア内からの得点を期待されている。

「今はケミストリーを構築している段階なので、これから改善できるスペースはまだまだある。うちには素晴らしい選手がそろっていますし、今のチームメートを誇りに思う。外のシュートが得意な選手が多い中で、インサイドには僕とライアン、セバスチャンもいるので、これからさらにいいチームになることを楽しみにしています」

 いくら守備が良くても相手より得点を取らなければ試合には勝てない。出場した4試合で平均15.5得点8.3リバウンドと結果を残しているジャクソンが、今後、Bリーグの並み居る外国籍選手相手にどんなパフォーマンスを見せれるかどうかが、チームの浮沈を握る1つの要因となるかもしれない。

文=小沼克年

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