Bリーグが『全選手ミーティング』を実施…“コロナ差別”から選手を守るチェアマンのメッセージに、田渡凌「すごく心強い」

 8月31日、Bリーグは同日時点でBクラブと契約している全選手を対象に『全選手ミーティング』をオンラインにて開催した。

 参加した選手たちに向けて話された主な内容は、2020-21シーズンに向けた新型コロナウイルス対策について。リーグとしてどのような対策を行っているか、また、選手たち個々人がどのように向き合っていくべきかなどが話されたという。

ミーティングには外国籍選手たちも参加[写真]=B.LEAGUE

 約30分の『全選手ミーティング』終了後、東西各地区の代表としてサンロッカーズ渋谷ベンドラメ礼生広島ドラゴンフライズ田渡凌がメディア対応に応じた。ミーティングの感想を尋ねられたベンドラメは、「こうして選手全員で認識を高めることで、コロナに対する注意力も上がると思うし、そんな中でも“プレーする意味”を考える時間になった」とコメント。また田渡も「チェアマン並びに医師の方の話を伺い、あらためてコロナ対策をしっかりしなくてはいけないという思いが芽生えました」と話した。

 また、ミーティング中には3選手に新型コロナウイルス陽性判定が確認されたアルバルク東京安藤誓哉から、チーム活動休止中の心境などが共有された。「実際にチーム内から感染者が出たアルバルク東京安藤誓哉選手から話を聞くことで、今後そういう状況になった時にどういう対応をすればいいのか、少しイメージできたと思うので、とてもいいミーティングになりました」という田渡の言葉からは、短いながらも有意義な時間を過ごしたことがうかがえた。

チーム活動休止中の話を共有した安藤[写真]=B.LEAGUE

 その後、記者からの質問にて感想で述べた“プレーする意味”とは何かと問われたベンドラメは、「僕たちプロバスケットボール選手はバスケットが好きな人たち、Bリーグのファンの皆さんにプレーを通していろいろな影響を与えられる存在だと思います。コロナ禍で仕事が大変だったり、なかなかうまくいかない人たちがたくさんいる中で、僕たちのプレーを見てまた1週間頑張ろうと思ってもらう、それがプロの仕事なんだろうなと思います」と回答。人々に活力を与えることがプレーする意味であり、選手としての仕事であると、プロとしての責任感の強さを感じさせた。

 ミーティングにおいては島田慎二チェアマンから、「万が一新型コロナウイルスに感染したとしても、選手が社会的責任を負う必要はない」というメッセージが伝えられた。この言葉は新型コロナウイルス感染者に対する差別や中傷、いわゆる“コロナ差別”に少なからず不安を抱えていた選手たちを勇気づけたようで、田渡も「世間的にはコロナにかかると『あいつはなにをやっていたんだ』という雰囲気が出てる中で、チェアマンがそうした発言をしていただけると心強いというか。リーグが自分のことを守ってくれているという気持ちになるので、すごく心強いメッセージだったと思います」と胸中を語った。

 10月2日の開幕に向けて、Bリーグは細心の注意を払いながら準備を進めている。この日発表された『新型コロナウイルス感染症対策ガイドライン』の概要によると、感染対策を実施しながらもクラブや興業の魅力、エンタメの質を極力担保することを目指しており、現時点ではリモートマッチや入場制限付きの試合においてもチアやマスコットは出演予定。また飲食についても感染予防策を講じたうえで提供していく方針のようだ。リーグの取り組みが実を結び、選手やスタッフ、そして観客を含めたすべての人々が安心安全にバスケットボールを楽しめる環境が整うことを期待したい。

オンラインにてメディア対応に応じたベンドラメ礼生田渡凌[写真]=B.LEAGUE

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