10月2日から開幕するBリーグ。B1に所属するクラブは昨シーズンの18から2つ増えて20となり、それにともなって東西2地区制へと変更となった。また、ベンチ入りできる外国籍選手が2選手から3選手になるというルール変更が行われたため、開幕5年目を迎えるBリーグでの戦い方は、大きく変化すると想定される。そこで、バスケットボールキングでは、B1全20チームのヘッドコーチにインタビューを行い、今シーズンの戦い方や目標などを聞いた。
第1回は、昨シーズンB2で1試合平均87.8得点という圧倒的な攻撃力で西地区を制覇し、B1昇格を果たした広島ドラゴンフライズの堀田剛司ヘッドコーチ。チームとしても、自身としても初となるB1という大舞台でどのように戦い抜くのだろうか。
インタビュー・文=岡本 亮
取材日=2020年8月27日
――堀田HC率いる広島ドラゴンフライズは、昨シーズンB2で40勝7敗と西地区優勝を果たしました。昨シーズンの戦いについて振り返ってください。
堀田 私は昨シーズン広島のHCに就任しましたが、もともと所属している選手たちがB1でも通用する実力者だったことに加え、外国籍選手、日本人選手の補強がうまくいったことがチームの勢いにつながったのかなと思います。
――就任当初、ここまでうまくいくと想定されていましたか?
堀田 選手たち一人ひとりが「今年こそB1に昇格する」という意識が強く、練習でもその姿勢でやれていたので。それがチーム全体に伝染して良い方向に進めましたし、私自身もやりやすいようにやれた、ということが結果につながりました。
――今シーズンはクラブ史上初となるB1での戦いとなります。田渡凌選手と荒尾岳選手というB1で経験豊富な選手を新たに加えましたが、彼らに期待することは?
堀田 田渡選手は横浜ビー・コルセアーズでスタメンとして多く試合に出ていたので、B1での経験をチームに落としこんでほしいと思っています。荒尾選手に関してはB1での豊富な経験に加え、IQが高く地味な部分で頑張ってくれるので、そういう面で期待しています。
――また、世代別の日本代表で活躍し、アメリカの大学で経験を積んだアイザイア・マーフィー選手も獲得しました。彼に期待する部分は?
堀田 昨シーズン、チームには朝山正悟選手や田中成也選手といったシューターは揃っていたのですが、ドライブでペイントにアタックできる選手があまりいませんでした。ペイントアタックに加えてシュート力がある選手を探している中で、マーフィー選手の名前が挙がり、獲得することができました。彼は日本を背負う選手になる能力を持っているので、しっかりと指導して育てたいと思っています。
新たな選手が加わったことで、昨シーズンとは違ったバスケットも展開できる
――今シーズンから、外国籍選手が3人ベンチ入りできるルールに変更となりました。現時点でどのように起用しようと考えているのか、お聞かせください。
堀田 昨シーズンともに戦ったジャマリ・トレイラー選手、トーマス・ケネディ選手、グレゴリー・エチェニケ選手は素晴らしい選手で、ベンチ外の時でもチームを鼓舞してくれましたし、常にハードワークしてくれました。彼らはB1でも変わらず活躍してくれると思うので、いいパフォーマンスを引き出せるようにうまく起用したいと考えています。
――荒尾選手、谷口大智選手と日本人ビッグマンが2選手いることで、トレイラー選手とケネディ選手の起用方法は変化しますか?
堀田 今のところトレイラー選手、ケネディ選手は4番(パワーフォワード)で起用しようと考えていますが、ケネディ選手に関しては3番(スモールフォワード)もやることになると思います。
――昨シーズンはチーム全体でスリーポイントシュートの成功率が38.1パーセントと高確率でしたが、そこに関しては今年も継続するというお考えですか?
堀田 シュート力のある選手が多く、それを生かしたいという考えもありますし、エチェニケ選手はインサイドで体を張れるので、そこにボールを集めることも考えています。新たに加わった選手もいるので、昨シーズンとは違ったバスケットも展開できると思います。
――現在のチーム作りの状況はいかがですか?
堀田 まだ4対4までしかできていませんが、オフェンス、ディフェンスをどうしていくかということを選手に教えている状況です。
――堀田HCがチーム作りを進めるうえで大切にしている信念は何ですか?
堀田 紳士的なチームにしたいと思っています。一般常識ですが、挨拶をしっかりする、話をしっかり聞くということがバスケットで大切な気遣いにつながります。それができなければチームオフェンスもチームディフェンスもできません。選手たちには「紳士的なチームでいよう」と伝えていますし、ブースターさんへの振る舞いもしっかりとやっていこうと言っています。
――では、今シーズンの目標を教えてください。
堀田 まずはプレーオフ出場をつかむこと。そのために日々成長して、プレーオフが始まる時にはチームの状況が一番良い状態にしようと選手に伝えました。プレーオフ出場を目指して、しっかりやっていきたいと思います。
――最後に、ブースターの皆さんへメッセージをお願いします。
堀田 今シーズン、B1の舞台で戦うことになりました。今まで積み重ねてきたことを発揮し、皆さまに良いパフォーマンスを見せていけるように日々頑張っていくので、これからもご声援よろしくお願いします。