7月28日に開幕した南東北インターハイ、女子1回戦に優勝候補の一角、桜花学園が登場した。ただし、優勝候補といってもシードはついていない。それは同じブロックから出場の岐阜女子に東海大会で敗れているため、昨年、桜花学園が3冠達成したことでを獲得したトップシードの座を岐阜女子に譲ってしまったからだ。1回戦から戦うということは、優勝までには6回勝たなければならない。いくらエアコンが効いているとはいえ真夏の体育館で1試合でも多く戦うことは、激しい優勝争いにおいてはハンディとなるはずだ。
しかし、今回の桜花には、それがモチベーションアップの材料になっているという。鹿児島女子との1回戦は109-46の快勝に終わったが、キャプテン④山本麻衣は、「(井上眞一)先生にはスターターの疲労をためないように、『出だしから飛ばしていけ』と言われました。それもあってか、今日の試合の入りはいつもよりも良かったと思います。気持ちも入っていて、ディフェンスが良かったです」と、笑顔で試合を振り返った。
「直前にあった合宿でも調子が上がってきて、先生にも成長を認めてもらいました。私たちは一つひとつ勝っていくだけ。スタート、ベンチ、そして控えも含めて、チーム全員で戦っていきます。そして絶対に勝ちます」と、山本は強い気持ちを語ってくれた。
選手の評価には常に厳しい井上一コーチも、試合後は納得の表情だった。「大会の入りとしてはまあまあかな。直前の合宿も出来が良かった。準備が整ったと言えるだろう」。「優勝の手ごたえを感じているいうことですか?」とすかさず聞くと、「いや、そういうわけではない。うちはまだ(岐阜女子に)勝てていない。ただ、チャレンジする準備をしてきたということだ」と、井上コーチの表情が厳しくなった。
女子の優勝争いはここで挙げた桜花学園と、それを交換大会を含めて3連続で破っている岐阜女子リードしていくことになるだろう。今日の桜花学園のプレーを見ていたのなら、岐阜女子が刺激を受けていないわけがない。明日の2回戦で登場する岐阜女子のプレーも楽しみだ。