2017.07.14

【インハイ女子展望】桜花学園と岐阜女子が覇権を争う、大阪勢や地区ブロック代表にも注目

本格的に取材を始めたのが「仙台の奇跡」と称された2004年アテネ五輪アジア予選。その後は女子バスケをメインに中学、高校と取材のフィールドを広げて、精力的に取材活動を行っている。

 2017年の平成29年度全国高等学校総合体育大会 バスケットボール競技大会(インターハイ)を引っ張るのは東海地区の両雄、桜花学園高校(愛知県)と岐阜女子高校(岐阜県)だろう。昨年、一昨年と2年連続でインターハイ、国民体育大会(国体)、全国高等学校バスケットボール選抜優勝大会(ウインターカップ)の、いわゆる高校バスケの「3大タイトル」をすべて決勝戦で争った両校が、今年も先頭を走る。

 今シーズンはすでに3度対戦して、いずれも岐阜女子が勝っている。しかし6月の東海大会では点差がたったの2点に縮まり、桜花学園を全国大会計62回の優勝に導いた井上眞一コーチも手応え十分。一方の岐阜女子にとってはその辛勝がいい刺激になって、もう一度ビルドアップを図ってくるはずだ。

 その2校を追うのは大阪府のツートップ、大阪桐蔭高校と大阪薫英女学院高校だろう。府予選では大阪桐蔭が勝って、1位でインターハイ出場を決めた。しかし、その後に行われた近畿大会では大阪薫英女学院が白星を挙げ、インターハイの第2シードを勝ち取った。それぞれ勝ちあがれば、準決勝で岐阜女子と大阪桐蔭、桜花学園と大阪薫英女学院の顔合わせが予想される。激アツの準決勝となることは間違いない。

 もちろん、その4校がすんなりと勝ちあがっては面白くない。東海、近畿以外の地方ブロック大会を制したチームも、上位を狙えるポテンシャルを持つ。

 北海道ブロックを制した札幌山の手高校は、昨年度のような大黒柱はいないが、全員バスケットで勝負を仕掛けてくる。東北チャンピオンは開催地の代表でもある郡山商業(福島県)。粘り強いディフェンスにどこまで磨きを掛けられるか。関東を制した東京成徳大学高校(東京都)はガード、フォワード、センターと縦のラインが強固で、大崩れはしないだろう。北信越は創部4年目の開志国際高校(新潟県)が連続で制した。エースの藤永真悠子は1対1を得意とする、今大会必見の選手だ。中国ブロックは広島皆実高校(広島県)が頂点に立った。185センチの三間瑠依は今大会注目のセンターで、順当に勝ち進めば3回戦で当たる大阪桐蔭のセンター、竹原レイラとのマッチアップは見応え十分。四国地区は聖カタリナ学園高校(愛媛県)が16連覇を達成。決して大きなチームではないが、その分、スピードと3ポイントシュートで全国の舞台をもかき回す。九州を制した福岡大学附属若葉高校(福岡県)も実力のあるチームだ。

 それ以外にも、たとえば八雲学園高校(東京都)には1人で30点を挙げられる2年生エースの奥山理々嘉が所属しており、その八雲学園と2回戦で当たりそうな聖和学園高校(宮城県)にも2年生エースの今野紀花がいる。この顔合わせは来年度も楽しめる、注目のマッチアップだ。

 そう考えると、桜花学園、岐阜女子、それを追う大阪勢以外にも楽しみはチーム、選手は多く、初戦から目が離せない。

文=三上太

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