2017.07.13

【インハイ男子展望】今大会も混戦が予想、各ブロックに注目校が目白押し

大学時代より取材活動を開始し、『中学・高校バスケットボール』編集部を経て独立。メインフィールドである育成世代から国内バスケット全体を見つめる"永遠のバスケ素人"。

 昨年から群雄割拠の様相が強まっている高校男子バスケットボール界。平成29年度全国高等学校総合体育大会 バスケットボール競技大会(インターハイ)も勝ちあがりが読めない大混戦となりそうだ。4角を担う福岡第一高校(福岡県)、明成高校(宮城県)、帝京長岡高校(新潟県)、東山高校(京都府)はそれぞれ地方ブロック大会を勝ち抜いた精鋭。この4チームを戦いの軸としつつも、各所の有力校やダークホースが上位進出を虎視眈々と狙っている。

 第1シードは昨年のインターハイと全国高等学校バスケットボール選抜優勝大会(ウインターカップ)で頂点に立った福岡第一。シーズン序盤は出遅れたが、県予選、九州大会で夏に向けて見事に仕上げており、ベスト4進出は堅いか。同じ山からの勝ちあがりは豊浦高校(山口県)、四日市工業高校(三重県)、東海大学付属諏訪高校(長野県)、浜松学院高校(静岡県)らが有力。187センチの水谷祐葵(2年)をガードに据える四日市工業、得点能力の高いダシルバ・ヒサシ(3年)を擁する浜松学院が一歩リードしそうだが、どのチームも初戦から全力で戦い、ディフェンディングチャンピオンへの挑戦権を手に入れたい。

 八村阿蓮相原アレクサンダー学(ともに3年)ら好選手がそろう明成のブロックは激戦必至。関東王者の市立船橋高校(千葉県)を筆頭に、桜丘高校(愛知県)、北陸高校(福井県)、土浦日本大学高校(茨城県)らが上位進出をうかがう。昨年度のウインターカップで3位に輝いた北陸学院高校(石川県)は、大会屈指の注目選手、大倉颯太(3年)ら全中優勝メンバーの奮起に期待。実力派の若手コーチが好チームを練りあげる飛龍高校(静岡県)や育英高校(兵庫県)の戦いぶりにも注目だ。

 昨年の県予選決勝で敗れた開志国際高校(新潟県)に見事リベンジし、第3シードを獲得した帝京長岡。順当に勝ちあがれば、8強懸けが最初の関門か。正智深谷高校(埼玉県)との対戦となったら、粘り強い守り合いの好ゲームとなりそうだ。同じく堅い守備が持ち味の地元代表の福島南高校(福島県)も、半澤凌太(3年)の出来次第で好成績を十分に狙えるだろう。2年ぶりに出場の能代工業高校(秋田県)と3年ぶりに出場の東洋大学京北高校(東京都)は古豪のプライド復活なるか。

 東山高校のブロックも好チームがそろい、激戦が予想される。東山は昨年度猛威を振るったカロンジ・カロンゴ・パトリック(3年)が今年も健在。経験を積んだ選手たちがそろう洛南高校(京都府)を府予選と近畿大会と2度下し、その強さは確かなものだ。順当に行けばベスト8進出までは堅そうだが、好選手をそろえながらインターハイ初戦敗退が続いている福岡大学附属大濠高校(福岡県)が勝ちあがり、意地を見せられるかにも注目。もう1つの山からは中部大学第一高校(愛知県)の突破が予想されるが、大阪学院高校(大阪府)vs桐光学園高校(神奈川県)の勝者にもチャンスがありそうだ。

文=青木美帆

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