2021.02.12
Bリーグ開幕に伴って注目度が増す男子バスケットボール界。2019年にはFIBAワールドカップ、翌2020年には東京オリンピックが控え、より一層の発展へ期待が高まるばかりだ。日本バスケットボール協会やBリーグは両大会、さらにその先を見据えて選手の強化に力を入れている。すでにアメリカの大学で活躍する渡邊雄太(ジョージ・ワシントン大学)や八村塁(ゴンザガ大学)、日本代表に名を連ねる馬場雄大(筑波大学)などが台頭しており、それに続く超逸材、さらに可能性を秘めた“原石”もまだまだいる。ここでは『バスケットボールキング』推薦のスター候補生を紹介する。第5回は主将として土浦日本大学高校(茨城県)をけん引し、得点力に定評のある高原晟也。杉本天昇(現日本大学)という絶対的なエースがチームを去った今年、「自分が柱」と決意は固い。
昨年度の土浦日本大学高校(茨城県)は、とにもかくにも杉本天昇(現日本大学1年。U-19日本代表)の存在感が際立つチームだった。世代屈指のポイントゲッターの陰に隠れてしまってはいたが、高確率のシュート、そしてリバウンドやルーズボールなどの献身的なプレーでチームを支えていたのが当時2年生の高原晟也だった。
「日本一になりたい」。その一心で、地元山梨を離れて土浦日本大高の門を叩いた。中学の頃から得点力は折り紙付きだったが、土浦日本大学高の佐藤豊監督の指導を受けたことで精度がさらにアップ。「佐藤先生に教えてもらってからシュートが楽しくなりました」と話し、高1の秋にはU-16日本代表としてアジア選手権を戦った。
ウインターカップ準々決勝の北陸学院高校(石川県)戦で痛めた左ひざの状態が悪化し、手術。約3カ月のブランクを経て4月に復帰した。左足の筋肉が落ちたため、現在もトレーニングでリハビリ中。6月3、4日に開催された関東大会での復調具合は「70パーセントくらい」とのことだったが、準決勝の船橋市立船橋高校(千葉県)戦では25分のプレータイムで40得点(うち3ポイント8本)を叩きだし、観客を驚かせた。
ディフェンスをがんばり、得点を取る。高原の役割は昨年とさほど変わりはない。しかしキャプテン、そして杉本に代わるエースとしてチームを引っ張る立場になったことで、微妙な変化が生じている。これまでは得点面で杉本に頼れたので“ディフェンス第一、その後に得点”という意識でプレーしていたが、今年は高原の得点がチームのファーストオプション。「去年は天昇さんがいたけれど、今年は自分が柱なので」と話した後、関東大会で2試合連続5ファウル退場したことを受けて「ディフェンスをがんばり過ぎないようにしなければ」と、攻守のウェイトの掛け方に悩む様子がうかがえた。
闘志をあらわにしたプレースタイルの持ち主は、コートを一歩離れると途端におとなしい男子高校生になる。佐藤監督からは「お前が沈んだらチームも沈む。ポジティブな言葉を発していけ」と言われており、「チームメートには上からじゃなく『自分もこうするからお前もこうしろよ』と同じ目線で言葉を掛けるようにしています」。キャプテンとして一皮むけることで、プレーの質もワンランク変わってくる。そんな予感を感じさせる選手だ。
文・写真=青木美帆
No.002 保泉遼(船橋市立船橋高校3年)
(https://basketballking.jp/news/japan/highschool/20170517/13727.html)
No.003 松崎裕樹(福岡第一高校2年)
(https://basketballking.jp/news/japan/highschool/20170524/14262.html)
No.004 東野恒紀(厚木東高校3年)
(https://basketballking.jp/news/japan/highschool/20170531/14843.html)
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