現在開催中のFIBA女子アジアカップ、FIBA U19女子ワールドカップで日本代表チームが大躍進を見せている。このそれぞれの大会に赤穂さくら(日本代表、デンソーアイリス)、赤穂ひまわり(U19日本代表、デンソーアイリス)という卒業生を送り出しているのが、昭和学院高校(千葉県)だ。2つ違いの赤穂姉妹はこの5年間、昭和学院の屋台骨を支えてきたと言っていいだろう。しかし、妹のひまわりが昨年末のウインターカップを最後にチームから離れると(ひまわりは今年3月に昭和学院を卒業)、チームは“赤穂ロスト”の状況に見舞われた。
新チームになってもなかなか戦力が整わない。主力のケガもあり、5月の関東選手権でも1回戦敗退の憂き目を見た。迎えた29年度全国高等学校総合体育大会 バスケットボール競技大会(インターハイ)。実は、今回で昭和学院はインターハイ出場回数が50回目を数えた。「数字は全然意識しないが、リスタートの年にきっかけになれば」と、昭和学院・鈴木親光コーチは思うところがあったという。
7月28日の1回戦では岡豊高校(高知県)を66-44で勝利すると、迎えた2回戦、シード校の札幌山の手高校(北海道)に挑戦した。
試合はシューター陣が小気味よくゴールを射抜き序盤から昭和学院がリードする展開に。しかし、札幌山の手が前線から当たる激しいディフェンスを見せるとガード陣のボール運びにほころびが出て、リードを広げるまでにはいかなかった。6点のリードを保って4クウォーターに入るが、札幌山の手⑭東藤なな子に連続得点を許し、残り2分19秒、この試合、初めて追いかける展開となる。「経験がないから試合のコントロールができない。自信がないからバタバタに」と、鈴木コーチは振り返ったが、昭和学院は⑫山下詩織がオフェンスリバウンドをねじ込むと、主将④佐古愛が渾身のジャンプシュートを決め、札幌山の手を振り切った。
「組み合わせを見て、まず(札幌)山の手さんに挑戦できるように準備をしてきた。チームが変われるチャンスがあると思っていたが、まだまだ自分たちのバスケができない。しかし、負けてばかりだったから、(今日の勝ちで)自信をつけてほしい。一つひとつ勝っていくだけ」と、鈴木コーチは自身に言い聞かせるように語った。2回戦を終えた今日、組み合わせ四つ角のシード校、岐阜女子高校(岐阜県)や大阪薫英女学院高校(大阪府)、東京成徳大高校(東京都)は強さを見せつけて初戦を飾った。その中で昭和学院が札幌山の手に勝利。伝統校だけに台風の目となるかもしれない。