Bリーグ公認応援番組
『B MY HERO!』
「やっぱり(聖)カタリナ(学園)さんはやるべきことをしっかりやってくる。それがうちとの大きな違い」
吹き出る汗をふこうともせず、山形中央・茂木卓矢コーチは試合を淡々に振り返った。その表情には「もう少しできたはず」という悔恨の思いもにじみ出ていたのではないだろうか。山形中央は7月28日、福島市国体記念体育館で行われた1回戦で56-92のスコアで聖カタリナに敗れた。
JX-ENEOSサンフラワーズの大沼美琴をはじめ、Wリーグや大学に強豪を送り出している山形市立商。全国的にも強豪と言われる山形商を破って山形中央は14年ぶりにインターハイに歩を進めた。「今の3年生は“山形ドリームキッズ”1期生の代。小学生の頃からいろんなスポーツにチャレンジさせることを県をあげて行ってきた事業があって、それに選ばれた選手もうちにいて、プレッシャーがなかったといえばウソになる」と、茂木コーチはその胸の内を教えてくれた。
相手はこちらも強豪の聖カタリナ。「オフェンスリバウンドを取られてしまい、セカンドショットを決められた。そうしているうちにシューターが思い切りシュートを打つようになり、点差を離されてしまった。2、3年の主力にケガ人が出たけど、それは割り切っていた。1クォーターで詰めた時はチャンスだっと思っていたが…」(茂木コーチ)
その茂木コーチ、娘さんと一緒に念願の全国の舞台に立った。山形中央⑧茂木里佳子は実娘だ。
「(娘のプレーは)ダメでしたねえ。自分で行ける場面でパスをさばいてしまう。気持ちの弱さが父親に似てしまったのかなあ。1年の時に比べればたくましくなったけど、ベースラインのドライブからガーンとシュートを打ってほしい」
父親の表情を浮かべた茂木コーチだったが、最後はコーチの顔に戻っていた。
「全国ミニバス大会、全国中学校大会と全国の舞台に慣れていたはずなのに、インターハイは緊張感が全然違いました。思うようなプレーができませんでした。でも、最後はみんなで戦いきれたと思います」と、茂木は前を向いた。「予選を勝ち抜くのが最初ですが、もっと自信を持って全国の舞台でプレーできるように練習してきます」と、茂木は再び全国の舞台に戻ってくることを誓った。