ウインターカップ前回3位の北陸学院、4年連続の出場「昨年以上を狙う」

北陸学院を引っ張る大倉颯太 [写真]=平野貴也

 平成29年度 第70回全国高校バスケットボール選手権(ウインターカップ2017)石川県予選の男女準決勝および決勝が9月17日に小松市総合体育館で開催。男子は昨年全国3位の北陸学院高校が優勝し、4年連続4回目(※選抜優勝大会出場回数)の出場を決めた。

 準決勝は88-62で金沢市立工業高校に勝利。決勝では、66-44で金沢高校を破った。濱屋史篤ヘッドコーチは「選手には『昨年を超えるぞ』と話しました。今度こそ優勝を狙う。狙えるチームになってきた」と話し、昨年以上の旋風を巻き起こす意気込みを示した。

 決勝では、第2ピリオドの後半に攻守がかみ合い、一気に相手を突き放した。

 4点リードで迎えた第2ピリオドの序盤は金沢のペースだった。坂口太一(2年)に3ポイントを許し、22-23と逆転を喫する。しかし、北陸学院はマンツーマンからゾーンへ守備のシステムを変更し、目まぐるしいランニングとパスワークでマークを振り回す金沢の攻撃に対応。エースの大倉颯太(3年)、シューターの北方祐也(3年)の2人が3ポイントシュートを次々に沈め、一気に44-27と突き放した。

 第2ピリオドの北陸学院のスコアラーは、大倉、北方のみ。北方は3ポイントを4発。大倉は、外から3ポイントを決め、中では清水宏記(3年)からのパスでアリウープを決めるなど、2人で36得点を稼いだ。

 濱屋HCは「本当は、マンツーマンディフェンスだけで勝ちたかったが、そのままだと互角か相手の方が上回るペースになると思った。あの2人は、一度(調子に)乗れば落ちない。守備が思った以上に機能していたので、攻撃はインサイドの攻略にこだわることなく、好きにやって良いと思ったので任せた」と、勝負を分けた第2ピリオドを振り返った。

 マンツーマンディフェンスに戻した第3ピリオド以降は、ほぼ互角でやや失速する形になったが、きっちりとリードを守って66-44で逃げきった。エースの大倉は「個人的には、第2ピリオドで自分のシュートを使い過ぎた。入ったから良かったけど、もっと全員で攻撃して、終盤にもつれても自分が行けるようにしたかった」とペース配分を課題に挙げたが、ガードとしてボールを運び、インサイドでリバウンドに跳び、中でも外でもシュートを決める大車輪の活躍だった。

[写真]=平野貴也

 各都道府県予選の優勝チームに、全国高校総体の優勝、準優勝、さらに開催地(東京)代表の全50チームが日本一の称号を争う全国大会は、12月23日から29日まで東京体育館で行われる。

 創部5年目の北陸学院は昨年、外国人の留学生がいないチームで唯一ベスト4入りを果たし、強烈なインパクトを残した。今年は目立つビッグマンがいないが、大倉が多彩な役割を果たしつつ、仲間を活かす。濱屋HCは「颯太は、日本で一番良い選手だと思っている。きつい練習も率先して取り組むから、プレー面だけでなく仲間に頼られる存在。ただ(大倉が1月からケガを繰り返して春はほぼ不在だったこともあり)颯太がいない時間も戦えるチームにしてきた」と自信を示した。

 186センチの長身で外角のシュート力がある1年生の元田太陽など、新たな戦力も台頭している。2年連続の大躍進なるか、注目だ。

取材・文=平野貴也

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