夏冬2冠を目指す福大大濠、初戦の重圧をはねのけ19点差快勝

インサイドで体を張った井上宗一郎(左)は32得点23リバウンドの活躍 [写真]=兼子慎一郎

 福岡大学附属大濠高校(高校総体1/福岡県)が2冠達成に向けて好発進を切った。

 シードに入った平成29年度全国高等学校総合体育大会 バスケットボール競技大会(インターハイ)王者は、12月25日に東京体育館で行われた「ウインターカップ2017 平成29年度 第70回全国高等学校バスケットボール選手権大会」男子2回戦で日本航空高校(山梨県)と激突。第1クォーターこそ25-24と苦しんだが、その後は順調に点差を広げ、最終スコア93-74で勝利を収めた。

 永野聖汰と中田嵩基のガード陣が速攻を繰りだし、インサイドでは井上宗一郎が32得点23リバウンドの活躍。片峯聡太コーチは試合後、「重い初戦ではなく、オールコートでやりながらできました」と語り、「慎重になりすぎないように、選手たちに向けて細心の注意を払っていました。高校生なので思いきって、相手を圧倒するくらいの力強さと迫力を持って臨んでほしかったです。そういう意味では、今日は良かったと思います」と続けた。

U19日本代表にも名を連ねる中田 [写真]=兼子慎一郎

 指揮官は選手たちを称える一方で、課題も感じているようだ。先発出場した相手の神谷璃空は、23日の1回戦で約6分間の出場にとどまっていたが、福大大濠戦でスターティングファイブの一員に名を連ねていた。「相手チームの1回戦をスカウティングできました。ただ、インターハイなどのデータを見て、『27番(神谷)を抑えていこう』と。ゲームの中で、選手たちはもう少し早くアジャストし、そこにハードワークできたら良かったです」と、試合をとおして4本の3ポイントを含む19得点を与えた相手シューターへの対応不足を懸念した。

 もっとも、19点差の快勝以上に、2得点4リバウンドを記録した田邉太一などの1年生が全国の舞台を経験したことも大きいという。「彼ら(1年生)にとっては貴重な経験ですし、(この舞台で)できる、できないでは、来年のチーム作りに(関わってくる)。『全国大会はこんなはずじゃなかった』と、なるか、ならないかだと思います。強気にいけていたのは評価できます」

 福大大濠はインターハイを制しているだけに、冬の今大会は追われる立場にある。「そこを打ち負かすメンタル、タフさを持って臨めるかが、勝利するための大きな要因になってきます」と話し、また「チームの良さは内外のバランス。内だけ、外だけにならず、人、ボール、チームに合わせることができ続けたなら、今年はいい結果が残せると思います」と意欲を示した。

主将を務める永野聖汰 [写真]=兼子慎一郎

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