前回王者の福岡大学附属大濠高校(福岡県)が苦しみながらも初戦を突破した。
8月2日、ドルフィンズアリーナで行われた「平成30年度全国高等学校総合体育大会 バスケットボール競技大会(インターハイ)」男子1回戦にて美濃加茂高校(岐阜県)と顔を合わせた福大大濠。大会日程が重複するFIBA U18 アジア選手権のため、中田嵩基(3年)、浅井修伍(3年)、横地聖真(2年)の主力3選手を欠いて試合に臨んだ。
6月の九州大会で主力不在のメンバー構成を準備してきて、「ゲーム前は、変な焦りや不安はなかった。それなりに試合に入れるだろうという手応えはあった」(片峯聡太コーチ)。第1クォーターこそ順調に点差を広げていったものの、スターティングファイブで唯一の3年生、土家大輝が右ひざを負傷するアクシデント。指揮官が「そこまでの練習はしていなかった」と明かしたように、アジャイ・アーノルドや水谷拓真を中心に徐々にリードを縮められていく。
詰め寄られては突き放す展開に持ちこむ中、第4クォーターに入ると相手の猛攻を受ける。12点差があっという間に1ケタに縮まり、試合終了残り1分を切った時には63-60。すると残り約10秒、ゴール下のアーノルドにファウルを与えながら得点を決められたが、1本のフリースローは枠を外れて事なきを得ると、最後はファウルゲームを仕掛ける相手から65-62で逃げきった。
片峯コーチは、一戦必勝のトーナメントを戦う上では「1点でも上回ればいい」と話し、次のように続けた。
「第3クォーターの入りでミスがたくさんあり、そんなことをやっていてはダメだなと。ただ、トーナメントは試合での教訓をどれだけ次に、ブレずに活かしていくか。『今日よりも明日。明日よりも明後日』というようにメンタルをリカバリーして、体もリフレッシュしてやっていくかが大事」
また、土家の状態について「まだわからない。ただの打撲で今がピークならいいけど……」と明かした指揮官は、「勝負なのでコンディションがいい選手を使うと彼らに伝えている」ともコメント。「動きが良かった」と評価した緒方康太をはじめ、今後は高木寛大や間山柊などといったベンチメンバーが“ラッキーボーイ”になり得るかもしれない。
「これからエンジンをかけていきたい」。まずは3日に控える愛知産業大学工業高校(愛知県)との2回戦で、初戦を上回る好パフォーマンスを披露できるか。