4月から新学期がスタートし、高校バスケ界では各チームにルーキーたちが加入。昨年の1、2年生も学年が1つ上がり、ここから本格的なチームづくりを図っていく。今回、バスケットボールキングでは2019年に注目すべき選手を独自にピックアップした。
■男子注目選手(15)高原伊吹(3年/東海大学付属諏訪高校/長野県)
4月上旬に行われた「埼玉カップ2019」を準優勝で終えた東海大学付属諏訪高校のロスターには、190センチを超すビッグマンが3人いた(そのうち2人は195センチ超)。しかし彼らは実践でのキャリアが浅いため、チームは190センチに満たないメンバー、いわゆる“スモールラインアップ”で戦う場面も何度となくあった。
そのなかにあって長い手足と高い跳躍力を活かし、リバウンドでチームを勢いづけていたのが高原伊吹だ。現在186センチの高原はバスケットを始めたころからずっとセンターを担ってきた。その当時から「リバウンドを取って、自分がシュートを決めたり、チームメートが決めてくれたりすると嬉しかった」と振り返るが、リバウンドに飛びこむ意識はポジションアップした今も変えていない。むしろ当時よりも高まっているかもしれない。なぜなら現代の高校バスケットには200センチを超す留学生ビッグマンが数多くいるからだ。彼らからリバウンドを奪おうと思えば、まずは飛びこむ勇気を持たなければならない。
「入野(貴幸)先生からも『リバウンドは身長じゃない。行く気持ちと絶対に取るんだという気持ちが大切なんだ』と言われています。留学生とやるときはいかに楽にリバウンドを取らせないかを考えていて、取れたらラッキー、取れなかったらディフェンスに戻ればいいやくらいに考えています。でもまずは取りに行かないことには相手にプレッシャーもかけられないので、怯まずに行くようにしています」
チームの“顔”はポイントガードの黒川虎徹であり、オールラウンドに活躍する米山ジャバ偉生である。しかし彼らが持ち味を発揮するためにもチームを下から支える選手が必要になる。それを高原は担おうとしている。
「虎徹やジャバのようなドライブ力やハンドリングはないので、見ていてすごいなというプレーはあまりできません。でもそういう彼らが表にいるので、自分は陰でしっかりと体を張るようなプレーをしたいと考えています。元気だけは取り柄で、何度跳んでも大丈夫なので、チームを下から支えたいという気持ちです」
むろん高原は、決してリバウンドだけの選手ではない。リバウンドをベースに置いたスコアラー。気づけば大量得点を挙げることもある影のエースと言ってもいい。
観客も、相手チームも高原の動きには気をつけろ!
写真・文=三上太