2019年の男子注目選手(24)陳岡燈生(土浦日大)「走攻守、3拍子そろったハードワーカー」

4月から新学期がスタートし、高校バスケ界では各チームにルーキーたちが加入。昨年の1、2年生も学年が1つ上がり、ここから本格的なチームづくりを図っていく。今回、バスケットボールキングでは2019年に注目すべき選手を独自にピックアップした。

■男子注目選手(24)陳岡燈生(3年/土浦日本大学高校/茨城県)

 6月2日、「令和元年度関東高等学校男子バスケットボール大会 兼 第73回関東高等学校バスケットボール選手権大会」の決勝戦で実践学園高校(東京都)に敗れた土浦日本大学高校。陳岡燈生は試合後に控室へ下がると、座りこんでずっとうつむいたままだった。

 キャプテンを任されるほど人一倍責任感が強いだけに、敗戦の責任を重く受け止めていた陳岡だが、関東大会では4試合で1試合平均22.5得点をマーク。得点力の高さを証明してみせた。スコアラーでありながらも2回戦では30得点12リバウンド、準決勝では29得点11リバウンドの“ダブルダブル”を記録したことからもわかるように、泥臭くリバウンドに絡み、ディフェンスでもチームを引っ張る。

 対戦相手の指揮官が「4番の陳岡が……。あのドライブで切っていかれちゃうと結城(智史/土浦日大3年)が空いてしまう」と白旗を上げるほど鋭く、力強いドライブ。それが布石となってディフェンスとの間にスペースができれば、土浦日大のスモールフォワードは迷わず3ポイントを放ってリングを射抜く。

速攻の場面では自ら先頭を走る

 それでも、本人が自分の武器と語るのは「リバウンドから速攻の先頭を走ることができる」ことだ。40分間コートを駆け回り、「全員がボールへの執着心が強いので、ディフェンスリバウンドからすぐブレイクにつなげられる」という同校の強みを自ら体現している。

 茨城県のインターハイ予選は15日からスタートする。今年の土浦日大は「日本一になることが目標」であり、全国大会出場はただの通過点。敗戦を糧に一回りレベルアップした姿をインターハイで見せれるか。

 悲願の全国制覇へ向け、これまで以上に陳岡のリーダーシップが問われる。

写真・文=小沼克年

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