7月28日から8月2日にかけて鹿児島県で行われる「令和元年度全国高等学校総合体育大会バスケットボール競技大会(インターハイ)」。バスケットボールキングでは、“令和初”の高校チャンピオンを決する夏の全国大会を前に、今大会で見るべき注目チームをピックアップした。
■男子注目チーム(6)土浦日本大学高校(茨城県)
昨冬は7年ぶりにウインターカップ出場を逃した土浦日本大学高校。しかし、夏のインターハイでは今年も予選を順当に勝ちあがり、8年連続45回目の出場を決めた。
今年の土浦日本は、タレントがそろい非常にバランスの取れた布陣だ。バックコート陣は走攻守、3拍子そろったキャプテンの陳岡燈生を筆頭に、シューティングガードには6月の「令和元年度関東高等学校男子バスケットボール大会 兼 第73回関東高等学校バスケットボール選手権大会」で1試合15本もの3ポイントを突き刺した鍋田亜廉、司令塔はその鍋田と中学時代からコンビを組む山内龍也が担う。そしてベンチには、もう1人のシューター・神魁杜(いずれも3年)も控えている。
インサイドでは昨年U18日本代表に選出された結城智史、195センチの吉田凜(ともに3年)に加え、成長著しい2年生の松村竜吾の3人がメイン。どこからでも点の取れるオフェンス力がありながら、全員がボールへの執着心もあり、ディフェンスも堅い。その攻守が噛み合えば、得意の速い展開に持ちこんで一気に相手を突き放す爆発力を持っている。
チームの指揮を執るのは佐藤豊文コーチ。土浦日大を全国の強豪に育てあげた実父・豊氏からの意思を受け継ぎ、4月からコーチに就任した。吉田と松村のケガもあり、準優勝に終わった関東大会では「8番目の選手を作ること。あとはフィジカルや体力、だいぶ良くなりましたけどディフェンスもですね」と、課題を挙げた佐藤コーチ。しかし、関東大会後に行われたインターハイ予選では、失点を計5試合中3試合で50点台、残りの2試合ではわずか30点台に抑えており、守備力に一層の磨きがかかっているようだ。
福岡第一高校(福岡県)や開志国際高校(新潟県)、今大会第1シードの桜丘高校(愛知県)など、全国的に見ても強力な留学生を擁するチームが主流となっている今の高校バスケ界。だが、土浦日大は日本人単独チームだ。佐藤コーチは「留学生がいるチームは数え切れないですし、そういった意味でも(土浦日大は)貴重なチーム。今年はサイズがあって走れますし、こいつらならできると思います」と胸を張る。
土浦日大が入ったのは、優勝候補の福岡第一のいる右上ブロック。ともに勝ち進めば大会3日目にベスト8を懸けて激突する。新体制で挑む初のインターハイだが、目標は「全国制覇」と揺るがない。日本人単独チームの意地を見せ、ぜひとも下馬評を覆してほしい。
写真・文=小沼克年