キャプテンとして国体に出場した東山の米須玲音、周りとの連携に苦しむも「楽しくプレーできた」

京都の司令塔を担った米須

 10月4日から8日の期間、茨城県で開催された「第74回国民体育大会 バスケットボール競技」。今大会から参加資格が変わり、少年の部は中学3年生と高校1年生、加えて早生まれの高校2年生が出場できるという方式に変更された。

 大会3位で終えた男子の京都府は、東山高校の米須玲音が2年生で唯一12名の出場メンバーに名を連ねた。米須は広い視野を駆使し、変幻自在なパスで味方の得点を演出するアシストが魅力のポイントガード。東山では1年生の時から先発ポイントガードとして攻撃の中心を担っている存在だ。

 しかし、今回の国体では「あまり練習できなかった」、ましてや1年生主体の選抜チームだったこともあり、チームメートとの連携は決して良いと言えるものではなかった。米須は山口県との初戦こそ約20分間の出場で6アシストをマーク。だが、続く準々決勝の神奈川戦、準決勝の福岡戦ではともに0アシストという結果に終わった。もっとも、米須は準決勝を見ても相手の隙きをついた“いつもどおり”のタイミングで得点に直結するパスを供給していた。しかし、受け手が米須のパスに反応できずにターンオーバーになってしまったのだ。

「いつもは留学生や自分たち(東山)のセンターがパスを取ってくれます。でも、今回の選抜チームでは(予選の)近畿大会の時から取れない部分が多かったです。僕としても一度パスを出して取れなかったら、次は出そうか迷いました」と、50点差の大敗を喫した福岡戦後に自身のプレーを振り返った米須。京都を率いた大澤徹也監督も今大会の米須と選抜チームについて悔しさをにじませた。「彼が1年生に合わせなきゃいけないチームになってしまった。彼の良さを出させてあげるチームにしなきゃいけなかったです」。

福岡戦では「アンダーで守られた」と、外のシュートを打たされる場面もあった

 5日の初戦、しかも試合開始直後で主力の大西一輝(洛南高校)が負傷離脱するアクシデントに見舞われた京都だが、山口には83-60、神奈川には105-74で圧勝を収めた。「最後(福岡戦)はメンタルがやられましたけど(苦笑)、初戦から昨日までは調子が良かったです」とキャプテンとしてもチームを引っ張った米須は仲間を称え、「2年生1人で全然遠慮することもなかったので、この国体は楽しくプレーできました」と最後は笑顔を見せた。

 国体で3試合を戦い抜いた米須と東山のメンバーは、休む間もなく12日から新潟県胎内市にて行われるカップ戦に出場する。地元の開志国際高校やインターハイ覇者の福岡第一高校が参加する同大会でも、ライバルたちと切磋琢磨し、さらなるレベルアップを図ってほしい。

文=小沼克年

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