2019.07.23

インターハイ男子注目選手(7)米須玲音(東山)「多彩なパスを操るチームの心臓」

東山の司令塔である米須 [写真]=三上太

7月28日から8月2日にかけて鹿児島県で行われる「令和元年度全国高等学校総合体育大会バスケットボール競技大会(インターハイ)」。バスケットボールキングでは、“令和初”の高校チャンピオンを決する夏の全国大会を前に、今大会で見るべき注目選手をピックアップした。

■男子注目選手(7)米須玲音(2年/東山高校/京都)

 近畿チャンピオン・東山高校の心臓部が2年生ポイントガードの米須怜音だ。ボールハンドリングに長け、視野も広く確保されているため変幻自在なパスでチームメートにボールを供給できる。特に今年の東山は昨年と異なりオールコートでの展開、つまりファストブレイクを多く出すため、米須のボールプッシュが重要度を増している。本人もそれを強く意識していて、優勝した「令和元年度 第66回近畿高等学校バスケットボール大会」後も「もっとプッシュできた」と反省を口にする。

 昨年も正ポイントガードとしてゲームをコントロールしたが、本人いわく「外からのシュートばかりになっていました」と振り返る。その反省から今年は積極的にドライブを仕掛け、レイアップシュートはもちろんのこと、フローター、ダブルクラッチなどさまざまなシュートでゴールを狙う。そこにヘルプディフェンスが寄ってくれば、当然、彼の持ち味であるアシストパスが活きてくる。

「自分が、自分がという気持ちにならないよう、周りを活かしながら、ピンチになったときに攻める。そうすることでチームを落ち着かせることができると思っています。あとはキツイときにどれだけ声を出してチームをまとめられるかが、夏までの課題の1つだと思っています」

 近畿大会の試合間には、1学年上だがライバル視する河村勇輝(福岡第一高校3年)の映像を見ていたと明かす。「河村さんに比べるとまだまだ自分のボールプッシュは遅いです。スピードでは河村さんにもついていけるかもしれませんが、河村さんはそこから何でもできる。映像を見ながらいろんな技を盗んで、自分なりに改善できればいいと思っています」

 インターハイではお互いが順当に勝ちあがれば準々決勝で対戦する。昨年のウインターカップ2回戦の借りを返せるか。チームはもちろんのこと、米須自身にとっても挑戦の夏になりそうだ。

写真・文=三上太

インターハイ2019のバックナンバー