【ウインターカップ2020】ケガで不出場の戦友のために。優勝を決める一戦で奮起した東海大学附属福岡のエース・木寺智美

東海大学附属福岡を福岡県優勝へと導いた木寺智美[写真]=バスケットボールキング

「ウインターカップ2020福岡県予選」、激戦を優勝で終えた東海大学附属福岡高校。そのチームを得点面でけん引したのが3年生の木寺智美だ。ジャンプシュートやドライブからのシュートを主体に得点を挙げた木寺は、ウインターカップ予選の決勝リーグ、全勝対決で迎えた精華女子高校との一戦を特別な思いで臨んだ。

 それはその前週の中村学園女子戦で負傷した竹元琴音のこと。最終日の試合に出場が叶わなかった同級生は、ミニバスからのチームメートでもある。ここまで一緒に戦ってきた戦友のためにと気を吐いた木寺に話を聞いた。

左手の甲に書いてもらった『勝つ』の文字

――優勝おめでとうございます。まず試合を振り返ってください。
木寺 はじめは自分たちのバスケットがなかなかできず、精華女子の流れになっていたのですが、前半が終わった時に『自分たちの持ち味は何か』を振り返ったら、やっぱりディフェンスや球際の強さ、先輩方から引き継がれてきた泥臭いプレーだということになり、それをやっていこうと話し合って、切り替えました。それで後半は入りからいいリズムが作れたと思います。

――後半は木寺さん自身、積極的に攻めているように見えました。
木寺 竹元さんのケガから、みんなが少しモチベーションを落としていたのですが、彼女のためにも頑張ろうと。もちろん、チームのためにというのもあったのですが、3年生の竹元のためにと思って臨みました。特に私は小学校から同じチームだったので。今日は彼女に左手に『勝つ』を書いてもらいました。その思いがコート上で出せたと思います。

――今年はどんなチームですか?
木寺 先輩後輩関係なく、やるときはやる、はしゃぐ時ははしゃぐとメリハリがあるチームです。

――盛り上げ役ですか?
木寺 私はあまりそういうタイプではないのですが、他の3年生が盛り上げてくれています。

―ウインターカップではどんなバスケットを見せたいですか?
木寺 今年は(例年のチームより)高さがあるのですが、その高さを生かしつつ、それまでやってきた自分たちの粘り強いディフェンス、平面バスケットでも戦っていきたいと思います。

――個人的には?
木寺 (精華女子戦では)外のシュートがあまり入らなかったので、ドライブで行くようにしました。外のシュートは身長がない分、(ウインターカップに向けても)個人的な課題となります。

 でも、小さいけれどスピードを生かして、フィジカルでも当たり負けないようなドライブを思い切りやっていきたいし、ディフェンスでは『この人に付かれたくない』という迫力あるディフェンスをしたいです。

福岡県決勝ではドライブなどから得点を挙げた木寺智美[写真]=バスケットボールキング

文・写真=田島早苗

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