「SoftBank ウインターカップ2020 令和2年度 第73回全国高等学校バスケットボール選手権大会」の女子3回戦、前回大会準優勝、前々大会優勝の岐阜女子高校(岐阜県)と対戦したのは43回の出場を誇る昭和学院高校(千葉)。いずれも強豪同士の対戦となった。
高さと強さで優位に立つセンターのイベ・エスタ・チカンソ(3年)にボールを集めて得点を重ねる岐阜女子。しかし、昭和学院も三田七南(3年)、森長海羽(3年)、花島百香(2年)とスターターの3人が178センチと高いチーム。岐阜女子にとっても「エスタ以外(のポジション)は全て高さで相手にアドバンテージがある」(安江満夫コーチ)状況ではあった。それでも前半は岐阜女子がエスタのインサイドプレーを起点に得点を重ね、三田らをファウルトラブルに追い込む。そのまま後半もじりじりと点差を広げた岐阜女子が第3クォーターを終えて12点のリードを奪った。
第4クォーターでも10点前後のリードを保っていった岐阜女子。しかし、「10点勝っていて、早く楽になりたいという思いもあったのかな。行けるところを消極的になったし、大事にしすぎたところがあったと思います」(安江コーチ)と、自らの点が伸びない。逆に昭和は値千金の3ポイントシュートや三田、花島百香(2年)らが果敢にリングにアタックし、残り約2分で岐阜女を捉える。
ピタリと点が止まった岐阜女に対し、昭和学院はファウルを得てフリースローから加点。3点リードすると、最後の6秒も守り切り、勝利を飾った。
「『自分たちは大丈夫』と言い聞かせ、自信を持ってプレーしようと思っていました。『どうしよう?』ということは考えないようにしていました」と劣勢の時間帯を振り返ったのは昭和学院の花島。この試合では12得点6リバウンド4アシストという数字を残した。後半には、先にファウルトラブルに見舞われた3年生の代わりにエスタをマーク。「足を使ってできるだけ中に入れないこと。入られられてしまったらそれは仕方ないので、次に切り替えることを意識してディフェンスをしていました」と語る。
攻防において体を張った花島。今日の試合はみんなが殊勲だが、もちろん花島もその一人だ。
「(点差を)離されていた時も、『大丈夫かな』というのは正直なくて、『なんとかなる、大丈夫』という気持ちでずっとプレーしていました」という花島は、明日の準々決勝に向けて「また気持ちを切り替えて。自分たちの目標は日本一なので、それまでにはあと3回勝たなければいけません。集中し直して一試合一試合戦っていきたいと思います」と勝って兜の緒を締めていた。