2月6日、「FIBAバスケットボールワールドカップ2019 アジア地区1次予選 Window2」に向けて実施された男子日本代表のメディア公開合宿。フリオ・ラマスヘッドコーチは報道陣に、22日のチャイニーズ・タイペイ戦、25日のフィリピン戦のメインポイントガードを務めるのは富樫勇樹(千葉ジェッツ)と橋本竜馬(シーホース三河)になるだろうと明言した。しかし、富樫が最終メンバーから外れたことで、篠山竜青(川崎ブレイブサンダース)がこの牙城に食い込むこととなる。
11月のWindow1では、篠山は富樫の控えガードとして起用された。ともに15分前後のプレータイムで4得点2アシストというスタッツを記録したが、コンディションは万全ではなかった。「コンディションを含めたWindow1の反省点を活かして、ここ(2月6日)まではいい状態で臨めていると思います」と手応えを感じている。
2017年、28歳にして初めてのフル代表入りを果たした。Window1のフィリピン戦ではこちらも初となる自国開催の代表戦を経験。超満員となった駒澤体育館でのプレーを、「観客の声援は、『力になる』という言葉ではもどかしいくらい、大きなパワーを与えてくれました。あのコートに立ったことで、ファンの方に結果で応えたい、恩返ししたいという気持ちはすごく強くなりました」と振り返る。
チャイニーズ・タイペイ戦は、篠山の生まれ故郷である横浜で開催される。「横浜はミニバス、中学と僕の土台を作ってくれた場所。リーグで横浜(ビー・コルセアーズ)さんと対戦する時ですらいつもと違う気持ちになります」と、思い入れは当然強い。試合については「遂行し続ける真面目さは日本人の特性。勝つとしたら、どういう状況になってもチームがやると決めたことを40分間し続けて、地を這ってでも勝ちをつかみ取りに行くという方法になるんだろうな」と青写真を描いている。
最後に意気込みを問うと、篠山はその責任感の強さとこの試合に懸ける思いを、実に彼らしい言葉をもって発してくれた。
「毎回毎回、最後の代表戦だと思って戦っています。国の代表として戦う責任や誇りをしっかり受けとめて、足や腕を1本置いてくるつもりでホーム戦を勝ちに行きたいと思います」
取材・文=青木美帆