2月25日、“AKATSUKI FIVE”男子日本代表がアウェイでの「FIBAバスケットボール ワールドカップ2019 アジア地区 1次予選(Window2)」でフィリピンと対戦。2万人収容のモール・オブ・アジア・アリーナはほぼ満員となり、フィリピンを後押しした。この試合、スタートダッシュに成功した日本は最大で16点のリードを奪うが、フィリピンは若手をコートに入れたのが奏功し逆転に成功。最後は比江島慎(シーホース三河)、田中大貴(アルバルク東京)が果敢にアタックするもののそれを振り切り、フィリピンがアジア1次予選Bリーグで3勝目を挙げた。
ここまでの3試合、ゲームの入り方が悪く、その後の試合展開を苦しいものになっていた日本だったが、この日は、篠山竜青(川崎ブレイブサンダース)のドライブを皮切り、リングに向かってアタックを見せた。その後も、アイラ・ブラウン(琉球ゴールデンキングス)の3ポイントシュート、田中がドライブからファウルをもらい、フリースローを決めるなどして、20-4とリードを奪った。
フィリピンはこの場面で若手のキーファー・ラベナとジェス・ロザリオをコートに入れてチームの立て直しを図る。するとフィジカルを活かしたドライブと得意のカウンターアタックで勢いを取り戻した。日本はフィリピンのプレーを受けてしまい、オフェンスでも勢いを失い、逆転を許してしまった。
さらに試合後、フリオ・ラマスヘッドコーチが最大の敗因と語ったのがリバウンド。「オフェンスリバウンドを許してしまった。今回、フィリピンの勝因は、オフェンスリバウンドを19本も奪っていることだと思う。その19本からセカンドチャンスを何回か取られ、結局21得点も奪われた」と、ラマスHCは振り返った。
試合後、報道陣の前に立った比江島は、「さすがにこれだけ負けるとショックは大きいし、自信もなくなってしまう。切り替えるしかないと思うが、4連敗は厳しい……」と、力なくコメント。「オフェンスに関しては自分の役割ができたと思うが、ディフェンスではもう少しできたかなと。相手の8番にペネトレイトされたのを体を張ってでも、フィジカルにディフェンスできれば良かった」と、比江島からは悔恨のコメントが続いた。
Window3は6月29日に千葉ポートアリーナでオーストラリア戦、そして、7月2日にはアウェイでチャイニーズ・タイペイ戦が控える。ラマスHCはロースターの入れ替えを否定せず、「これまで招集してきた選手が健康であること。そして、渡邊雄太(ジョージワシントン大学)、八村塁(ゴンザガ大学)の両選手が私たちと一緒にプレーできるかが重要になる。彼らの身体能力とハートの部分では期待できると思っている。ポイントガードに関しても見直していく。じっくり見極めていくつもりだ」と、メンバーの入れ替えを示唆した。FIBAワールドカップ、そして東京オリンピック出場のために、もう本当に負けられない。
文=入江美紀雄