ニュージーランド戦勝利にラマスHCは笑顔。27本のチームアシストに八村塁、馬場雄大も満足

チーム最多6アシストを記録した馬場[写真]=Yasushi KOBAYASHI

 8月12日、千葉ポートアリーナで行われた「バスケットボール日本代表国際試合 International Basketball Games 2019」第1戦。ニュージーランド代表と対戦した男子日本代表は、八村塁(ワシントン・ウィザーズ)が35得点、ニック・ファジーカス川崎ブレイブサンダース)が21得点と両エースの活躍で99-89と勝利した。なお、この試合、8月2日の練習で左足関節の捻挫を負った渡邊雄太は大事を取ってベンチ入りをしなかった。

 八村はティップオフ直後から積極的にゴールを目指した。馬場雄大アルバルク東京)のパスを受けてゴール下で初得点をあげると、ミドルレンジのジャンプシュートを次々と決めて、チームに勢いを与えた。八村は第1クォーターだけで10得点をたたき出すパフォーマンスを見せると、チームもニュージーランドに対して16-0のビッグランを見せ、27-16と大きくリードを奪った。

 試合後、記者会見に臨んだフリオ・ラマスヘッドコーチ、八村、馬場の3名は思いどおりに試合に入れたこと、つまりは第1クォーターでリードを奪えたことが勝因だったと異口同音に語った。

指揮官は「すごくいい内容の試合だった」とコメント[写真]=Yasushi KOBAYASHI

 ラマスHCは「すごくいい内容の試合だった。ニュージーランドのことはとてもリスペクトしており、タフな試合になると覚悟していた。しかし、アシストを27本もあげることができ、さらにシュート確率も高かった(フィールドゴール成功率55.4パーセント)。ワールドカップの本番に向けていい状態で臨みたい」とチームを評価した。

 八村は、「ワールドカップ予選でオーストラリアを破ったこのアリーナで勝ててうれしい。出だしでニュージーランドの得点を抑えられ、オフェンスでも自分だけでなくコートに立って選手でボールをシェアできてリードできたことが勝因です」とコメント。

「チームでは一番年下ですが、国際大会やアメリカでの経験は先輩たちには負けていません。プレー面ではチームを引っ張っていきたいと思いますし、オフェンス、ディフェンスの両面でインパクトを与えたいと思っています」と、八村はワールドカップに向けて決意を新たにした。

代表戦でも堂々たるプレーを見せた八村[写真]=Yasushi KOBAYASHI

 7月のNBAサマーリーグでの経験が自身の成長を促していると語ったのは馬場だ。「インターナショナルのプレーヤーとマッチアップしても物おじしなくなったと思います。相手と対峙した時、自分のプレーができたと思うし、得意のプレーができました」と胸を張った。

 ワールドカップの本番に向けて強化を進める男子日本代表。心配される渡邊は試合前、ゲームレベルのスピードで移動するシュート練習を丹念に行っていた。課題がありつつも初戦に勝利した男子日本代表が渡邊というラストピースを入れた姿を見せるのもそう遠い話ではないだろう。その時、どのようなチームケミストリーが構築されるかも楽しみでならない。

文=入江美紀雄

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