【PICK UP ROOKIE】東京羽田ヴィッキーズ・アイメレク モニィーク「新人扱いはされたくない」

大卒ルーキーとして東京羽田に加入したアイメレク モニィーク

10月4日から幕が開ける第21回Wリーグ。各チーム、さまざまな強化を図り、本番を迎えることとなるが、ここでは今シーズンの注目ルーキーたちにクローズアップした。

インタビュー・文=小沼克年
写真=Wリーグ、東京羽田ヴィッキーズ、小沼克年

■Wアイメレク モニィーク(東京羽田ヴィッキーズ/174センチ/67キロ/フォワード)

・生年月日:1997年2月17日生まれ
・経歴:長久手中→安城学園高→愛知学泉大→東京羽田
・受賞歴:ウインターカップベスト4、インカレ準優勝
・代表歴:ユニバーシアード

――4月から大卒ルーキーとして東京羽田に加入して、いよいよWリーグ開幕が迫ってきました。アイメレク選手自身の状態はいかがですか?
アイメレク やっぱりまだまだ通用しない部分が多く、「さすがプロだな」と日々感じながら練習しています。(愛知学泉)大学時代は“私中心のチーム作り”みたいなところがありましたが、Wリーグになるとレベルが上がりますし、一つひとつの精度を上げていかなければいけないです。

――ご自身の強みと、チームでの役割を教えてください。
アイメレク 自分の武器は3ポイントシュートだと思っていますし、チーム内でも外のシュートを評価していただいています。でも、Wリーグだと間合いやスピードが大学と違って、今まで打てていたタイミングでシュートが打てないので、そこは今も練習中です。

――東京羽田に加入後もポジションはフォワードのままですか?
アイメレク そうですね。でも、Wリーグでは身長が大きい方ではないので、同じフォワードポジションでもスクリーンをかける側から使う側になるなど、これから磨かなければいけない部分が多いです。学生時代も3ポイントは打っていましたが、主にポストアップから得点を取るフォワードだったので毎日悩んでばかりですけど、すごくタメになっています。

――現状の課題は何ですか?
アイメレク スクリーンやディフェンス面など課題はたくさんあります。でも、今は苦手な部分を克服するよりも得意な部分をもっと伸ばしたいです。大学の時は「大事な場面では自分が打つ」という気持ちでプレーしていたので、ヴィッキーズでも任せてもらえるように安定してシュートを決めきれる選手になりたいと思っています。

短所よりも長所を伸ばすことでチームに貢献したいと意気込む[写真]=Wリーグ

――同期入団には尾﨑早弥子選手がいますが、とくに可愛がってもらっているチームメートは誰ですか?
アイメレク みんなから仲良くしてもらってるんですけど、ヴィッキーズには(安城学園)高校と大学時代の先輩がいるんです。

――そうなんですね。どなたでしょうか?
アイメレク 昨シーズン新人王の鷹のはし(公歌)さんが大学の先輩で、山本美緒さんが安城で一緒でした。なので、わからないことは聞けますし、練習相手になってもらいたい時も遠慮なくお願いできる関係です。津村(ゆり子)さんも代表合宿で一緒になったことがありますし、他の先輩方もすごく優しいです。

――加入前と加入後でチームの印象が違った点はありましたか?
アイメレク 入る前から周りの方々に「みんな優しいし、チームの雰囲気もいい」と聞いていましたし、自分自身もそういうイメージを抱いていました。実際、チームの雰囲気もいいですけど、コートに立ったら負けず嫌いな部分がすごく出ていたり、やり合ったりするところもあるので、そこはやっぱり“選手だな”と改めて感じました。

――チームメートには「FIBA 女子アジアカップ 2019」MVPにも輝いた本橋菜子選手もいます。
アイメレク 本橋さんは代表活動でチームを離れることが多いですけど、帰って来た時はチームの雰囲気がより引き締まる感覚があります。一緒に練習したのはまだ数えるほどですが、以前本橋さんと自主練習をやったことがありました。その取り組み方一つを見ても、ただシュートを打つのではなくて動きの中でシュートを打ったりと、少ない時間でも自分にとって意味のある練習を要領よくやっているので、流石だなと感じました。

――本橋選手は今シーズンさらに相手のマークが厳しくなると思います。
アイメレク そうですね、絶対厳しくなると思います。でも、本橋さん1人に頼ってはいけないですし、鷹のはしさんが1年目から活躍してきた姿を見てきたので、私も開幕からチームの勝利に貢献できるように頑張りたいです。

――イベントなどでファンの方々との交流もあったと思います。印象はいかがでしたか?
アイメレク ヴィッキーズは地域に密着していて、ファンの方々にすごく支えられているチームです。地域イベントも多く参加しますし、新人の私でも練習着で街を歩いていると「ヴィッキーズ? 頑張って!」などとファンの方が声をかけてくださります。自分としては何も変わってないのにそうなるのは、ヴィッキーズのチームウェアを着てるからですし、今までの先輩方が築き上げてきたからこそです。そのおかげで自分自身も「見られる存在になったんだな」と自覚を持てるようになりました。大学卒業からまだ1年も経っていないですが、もっとヴィッキーズを応援したいと思ってくれる方が増えるよう、私も気持ちの伝わるプレーをしたいです。

蒲田駅で行った地域活動での一コマ[写真]=東京羽田ヴィッキーズ

――では、今シーズンのチームとしての目標を教えてください。
アイメレク チームとしてはベスト4。昨シーズンの6位(チーム史上最高位)という成績は先輩たちが全員でつかんだ結果ですし、今シーズンはもっと上にいかなければいけないと思っています。試合に出たら自分の役割をしっかり果たしたいです。

――個人としてはやはり新人王を狙いますか?
アイメレク 鷹のはしさんが新人王を取ったので、「東京羽田から2年連続の受賞なるか!?」みたいに煽られることはあります(苦笑)。チャンスは1回しかないですし、もちろん取りたいという気持ちはありますけど、そんなこと考えていたらダメだと思っています。それは最後についてくるものなので、まずはしっかりと自分の仕事をして、その結果、最後に取れたらいいなと思います。まあ、絵馬に書いちゃったんですけどね(笑)。

――東京羽田から2年連続で新人王が選出されることを期待しています。最後に、本拠地の大田区総合体育館で迎える10月4日の開幕戦に向けて意気込みをお願いします。
アイメレク 新人ですけど、Wリーグは私と年齢が近い選手がすでに活躍しているので新人扱いはされたくないです。年下でも日本代表に選ばれている選手もいますし、負けてはいけないと思っています。開幕から対等に戦いたいですし、チームの勝利のためにしっかりと気持ちのこもったプレーをしたいです。4日の開幕戦は平日ですし、正直どのような盛り上がりになるのかイメージが湧かないですけど、個人的にはとてもワクワクしています。大学時代もインカレ(第70回全日本大学バスケットボール選手権記念大会)の決勝くらいしか大勢の観客の前で試合したことがないので、たくさんのファンに来ていただきたいです。

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