紅白戦をLIVE配信したトヨタ自動車アンテロープス。キャプテン三好は「感謝の思いを伝えたかった」

紅白戦後は選手、スタッフ全員がそろって記念撮影[写真]=トヨタ自動車アンテロープス

 新型コロナウイルスの感染防止などにより、3月28日からのプレーオフ開催を中止し、それによりシーズンが終了したWリーグ。

 そのWリーグに所属するトヨタ自動車アンテロープスが3月25日の午前、「Thank You Very “Match”~『皆様にありがとう』の気持ちを込めて~」と称した紅白戦を行い、SNSを通してLIVE配信した。

 実際には赤と白ではなく、赤色と黒色のユニフォームにトヨタ自動車の選手たちが分かれて試合を実施。これをTOYOTAアンテロープスの公式InstagramにてLIVE配信した。結果は、三好南穂や馬瓜エブリン&ステファニーらを擁する黒チームが103-67で赤チームに勝利した。

 この紅白戦の開催に伴い、試合後、キャプテンの三好にその思いを聞いた。

三好南穂「私たちも見ている方たちも1年の締めくくりになる試合」

キャプテンとしてシーズンを通してチームをまとめた三好[写真]=トヨタ自動車アンテロープス

――紅白戦を実施するに至った経緯を教えてください。

三好 プレーオフに向けて練習をしていた中でのシーズン終了だったので、不完全燃焼という感じでした。今までは試合を通してファンの方やチームに関わっている方たちに感謝の思いを伝えていたのですが、伝える場がなくなってしまった。それなら自分たちで試合をしようと、選手とスタッフ全員の気持ちが一致し、紅白戦を行うことになりました。

 紅白戦を通じて感謝の気持ちを伝えられること。それと、私たち選手自身も、最後にちゃんと試合をして、1シーズンを終えたい、区切りにしたいという思いがありました。

――実際、どのような思いで紅白戦を戦いましたか?

三好 真剣勝負でやりました。私たちが本気でやることによって見ている方たちにバスケットを楽しんでもらえる、そして私たちも見ている方たちも1年の締めくくりになると思っていました。

 選手、スタッフも含めて今シーズンこのメンバーでやるのはもうこれが最後。楽しんでやりたいというのと、最後なんだと噛みしめながらプレーしました。

 真剣勝負の中でもバスケットの本来の楽しさを感じることができたので、この試合をやったことの意味はあったのかなと感じています。

紅白戦は真剣勝負。選手全員がハードに戦った[写真]=トヨタ自動車アンテロープス

――ここ最近は、プレーオフが開催するのか中止になるのか分からない中で、健康面はもちろん、モチベーションの維持も大変だったと思います。

三好 最初にレギュラーシーズンの数試合が中止になり、プレーオフに向けて4週間空きました。やはりメンタルの持ちようは厳しかったですし、世の中の流れ、いろんなスポーツの大会やイベントが中止になり、Bリーグも中断することになった中で「本当にプレーオフができるのかな?」という思いは選手それぞれの心の中にあったと思います。

 練習でもいつもと違う雰囲気を感じることもあったので、私自身、それをどうプレーオフに向けて持っていくか、(キャプテンとして)声の掛け方はすごく難しかったですね。

―シーズンを振り返ると今シーズンはルーカス・モンデーロヘッドコーチの体制になって1シーズン目でした。

三好 序盤はなかなかヘッドコーチがやりたいバスケットと自分たちのやっているバスケットが上手くかみ合わなくて。それで勝ち星も増えない難しい時期がありました。でも、終盤はフィットして、良いチームになってきたと思います。だからこそ、ここでシーズンが終わったのは悔しいですね。

 最終戦となったアイシン・エィ・ダブリュウィングス戦(2月22、23日)も、選手同士で「すごくいい感じになってきているよね」と言っていたので、あと何試合か続けて、それを“自信”に変えるというところまでいきたかったです。でも、これを来シーズンに繋げていけたらと思っています。

 今シーズンをもって引退する選手や、それこそプレーオフに進めなかった4チームにとっては、いきなりシーズンが終了となったわけで、それを考えると目の前の一試合一試合を悔いなく戦わないといけないんだということを改めて感じました。

 もちろん、今までも、常に力を出し切って戦おうと思っていましたが、心から、試合や日々の練習で力を出し切り、納得する結果で終わらないと後悔するんだということを思いました。

――では、最後にファンの方たちへメッセージをお願いします。

三好 この紅白戦は皆さんに感謝の気持ちを伝えたくて行いました。選手もスタッフも一人一人が感謝を込めて戦うことができたと思います。

 今は新型コロナウイルスの影響で先の見えない時間を過ごしていますが、自分たちにできること、健康管理をしっかりして頑張っていきましょう。今シーズン、本当に応援ありがとうございました。

取材・文=田島早苗

モバイルバージョンを終了