2020.02.29

【高校チーム訪問】卒業生Interview/桜花学園のエース・平下愛佳が3年間を振り返る

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 昨年12月のウインターカップを3年ぶりに制し、自身も冬は初の日本一となった平下愛佳。昨年はキャプテンを務めたエースが、ウインターカップや3年間を振り返りつつ、今後への思いを語った。

「すごく楽しい3年間を過ごせました。最高の高校生活でした」

――昨年、2019年をを振り返ってください。
平下 春の新人戦は岐阜女子高校(岐阜県)に負けてすごく悔しい思いをしたのですが、その負けがあったから、そこからの反省を生かして、インターハイにつなげられたと思うし、そこでしっかり勝ち切れたことは自分の中でもすごく自信になりました。3冠を達成できたことは本当にいい経験ができたかなと思います。

――ウインターカップは個人としては初優勝でした。
平下 (2019年の)目標がウインターカップの決勝の舞台に立って、『絶対に3冠する』ということだったので、決勝の日は人生一番の思い出になると思うし、決勝でしっかり自分のプレーを出せて勝てたというのはこれからの自信になると思うので、本当に優勝できてよかったかなと思います。

――自分のプレーを出せたとはどのようなところでですか?
平下 自分自身、チームの流れが悪い時にしっかり点が取れるようにとは意識していたので、ちょっと流れが(相手に)行きそうになった時に自分が点を取れたことは良かったかなと思います。

――決勝戦、『やばい』と思った瞬間があったのか、それとも負ける気はしなかったのか。
平下 一番『やばい』と思ったのは試合が始まってすぐ。なかなか点を取れず、相手にはカットからノーマークでシュートを決められることが多くて。『このままじゃやばいな』と思いました。でもその後はすごくいい感じに立て直せたのかなと思うんですけど、第4クォーターの(残り)3分くらいから、プレス(ディフェンス)に結構ボールを取られて。どんどん詰められた時は『ちょっと危ないかな』と思ったのですが、負ける気はしなかったです。

――桜花学園高校での3年間はどんな3年間でした?
平下 1年生と2年生の時はすごく悔しい思いして、特に1年生の時は優勝を1回もできなくて。そこから2年生になって、2冠(インターハイと国体)はできたけれど、最後のウインターカップで負けて、その時もすごい悔しい思いをして『なんでもっとやらなかったのだろう』とすごく悔いが残りました。でも、3年生になってからは大きな大会で、自分自身も点を取ることが出来たし、しっかり勝ち切ることが出来たので、1年生と2年生の時の経験がなければ、この3年目はなかったと思います。いい3年間で、同級生も良い子ばかりだったので、すごく楽しい3年間を過ごせました。最高の高校生活だったと思います。

高校から本格的にワンハンドシュートに取り組んだ[写真]=バスケットボールキング

「日本代表を目指して頑張りたい」

――トヨタ自動車アンテロープスでWリーグのアーリーエントリーをしていますが、(進路に)トヨタ自動車に決めた理由はなんだったのでしょうか?
平下 地元でプレーしたいというのは、中学の時も桜花を選んだのがその理由で、地元で優勝を目指したいと思ったし、愛知でプレーしたいという思いがすごく強くて、それで選んだというのが理由の一番にあります。

 それと、一番の憧れの選手が水島(沙紀)さんと栗原(三佳)さんで、すごく目指していた選手なので、目指していた選手がいるチームでプレーしたいという思いもあったので、トヨタ自動車を選びました。

――水島さんのどういったところに憧れていますか?
平下 身長も自分とそんなに変わらないのに、シュートも入るし、ドライブもすごく上手で、自分にはないドライブの仕方とか、目標になるプレーをいつもしています。

――栗原さんは?
平下 シュートの速さを目標にしていて、私は3ポイントシュートを打つ時にあまり速いモーションで打てないのが課題なので、シュートの速さを目標にしています。

――トヨタ自動車では2番ポジションになる可能性が高い上でどんなことが課題にりますか?
平下 シュートの速さはプロに行くと、ゆっくりシュートを打てないと思うし、速いモーションで打たないとチャンスがなくなると思うので、3ポイントとかジャンプシュートのモーションを速く打てるようにすること。

 今までは3番ポジションをやっていたので、私と同じくらいの身長の選手につくことが多かったのですが、2番だと背の小さい選手につくことが多いと思うので、そこのディフェンスでついていけないと試合に出られないと思うので、ディフェンスはまだまだ課題かなと思います。

――後輩たちにエールを
平下 3年生(現2年生)が崩れてしまうとチーム全体の雰囲気も良くならないので、3年生がしっかりまとめること。上級生同士でコミュニケーションをとって、中で声をかけて、チーム全体ももっと声を出して雰囲気良くやることが大事かなと思います。

――将来どんな選手になりたいですか?
平下 日本代表を目指して頑張りたいと思います。

――2020年の抱負をお願いします。
平下 トヨタ自動車に入って、今までと違う環境でバスケットをすることになると思うのですが、まずは試合に出ることが目標でやっていかないといけない。まだ体が弱いと思うので、しっかりとトレーニングをして、体を強くして早く試合に出れるように頑張ります。

取材・文=田島早苗

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