取材・文＝田島早苗
写真＝FIBA、バスケットボールキング編集部
9月18日より開幕する第22回Wリーグ。先シーズンは新型コロナウイルス感染症の影響で中断となり、公式戦は今年2月23日以来となる。バスケットボールキングでは新たに始まるシーズンに向け、全12チームの注目選手にインタビューを行い、シーズンに向けての思いを聞いた。
第10回は大型移籍としてデンソーアイリス（昨シーズン・レギュラーシーズン５位）に加入した本川紗奈生。日本代表選手でもあり、得点力に秀でるフォワードが新天地で飛躍を誓う。
――まず、デンソーへ移籍した理由を教えてください。
本川 ９年間、シャンソン化粧品シャンソンVマジックにお世話になり、すごく満足のいく環境を提供して頂いていました。でも、長くいる分、環境に慣れ過ぎて、甘えているのではないかという思いもありました。もちろん、ずっと試合に出させてもらっていたからこそ、チームを勝たせたいという思いで今までも戦ってきました。でも今回、何かを変えたかった。あえて環境を変えることで自分の力を試したいと思いました。後はデンソーに入団した時にもホームページを通して伝えましたが、「優勝したい」という気持ちが強く、移籍を決めました。
――実際にチームに入ってみてのデンソーの印象は？
本川 外から見ていた時も真面目な選手が多いイメージでしたが、実際に入ってからもそのイメージは変わらず。みんな一生懸命頑張るチームだと思います。
すごくバスケットに対してどん欲だし、それが全員。一人として欠けていないんです。だからこそ自分はそこの中で力になりたいと強く思いました。
本当にすごいですよ。みんな意識も高いし。勝ちたい、強くなりたいという思いは全員が持っていて、日本一を目指すという気持ちも同じ。モチベーションの高いチームだと思います。
――今シーズンから女子セルビア代表のヘッドコーチでもあり、実績のあるマリーナ・マルコヴィッチ氏がヘッドコーチを務めます。
本川 私だけでなく、チームみんながワクワクしていると思います。どういうバスケットをやるんだろうって。
――自身の役割について何か言われていますか？
本川 ZOOMを使ったミーティングでコミュニケーションを取っていますが、「ベテランなのでオフェンスでもディフェンスでも私の求めていることを理解してやってくれればいい。特にオフェンス面では、ドライブでの得点を期待している」と言われており、自分でもその役割を確認できています。
――またチームには、髙田真希選手や赤穂ひまわり選手をはじめ、日本代表のメンバーもいます。
本川 １対１の練習を、ひま（赤穂ひまわり）とやると、ブロックに来た時のかわし方を身につけることができるというか。ビックマンへの対応になるので、すごくありがたいです。他にもパワーのある選手との１対１では、どうかわすかなどを考える機会になるし、いろんなことを練習から体感できます。逆に私のスピードに対してみんなも対応してくるので、そうやって選手個々が学んでいく。すごくいい感じだと思います。
――大型移籍で今シーズンは注目されるシーズンだと思います。注目されることは嫌ですか？
本川 いや、逆に注目してほしいですね。
――さすが！本川選手らしいですね。
本川 （新しいチームで）どんなプレーをするのかな？と注目してもらうことで、自分を追い込みたいと思っています。だから今シーズンが楽しみですね。
――では、最後にシーズンに向けての抱負をお願いします。
本川 今までの自分のプレースタイルというのはありますが、さらにレベルアップした自分を見せられるようにしたいです。一日一日を一生懸命練習してきたので、レベルアップしていると自分自身は思っています(笑)
デンソーでは40分間ずっと試合に出ているわけ ではありません。与えられた時間の中で、試合の要所要所での起用になると思いますが、それでも役割を果たしている、できていると感じてもらえるように頑張っていきたいです。
世界クラスの本川がデンソーに何をもたらすのか期待がかかる[写真]＝FIBA