8月5日にアオーレ長岡で行われた「バスケットボール女子日本代表国際強化試合2018 三井不動産カップ」第2戦。FIBAランキング13位の日本代表は同5位のカナダ代表を相手に73-70と競り勝ち、9月の「FIBA女子バスケットボールワールドカップ2018」へ向けて大きな自信をつかんだ。
昨年より女子日本代表チームを率いるトム・ホーバスヘッドコーチは試合を振り返り、若手の台頭に大きな手応えを感じていた。期待のこもった「このチームは若い」という言葉が、インタビュー中に何度も繰り返される。「経験が少ないだけに、波もある。これから大事なのは経験」と課題はあるものの、若い選手が試合ごとに成長していく姿には喜びしかないようだ。
ケガで戦列を離れている渡嘉敷来夢(JX-ENEOSサンフラワーズ)は、9月のワールドカップに間に合うかどうか定かではないが、「もちろん彼女が戻れたらすごくうれしいけれど、今いるメンバーでも戦える」と自信をのぞかせた。今回、エース不在の中で格上の相手を下したことについても「勝つのは当たり前だと思っていた。このチームにはすごく自信があったので、世界ランキングは関係ない」
「今日特に良かった選手は?」との質問には、本橋菜子(東京羽田ヴィッキーズ)の名を真っ先に挙げたが、その後にも他の選手の名前が次々に飛びだす。「本橋は今回初めて代表に入り、少しずつ落ち着いてきた。初めは経験がなかったので少し遠慮していたのかもしれないが、彼女のプレーを見ると、やはり強い自信を秘めていると思った。今日の試合でさらに自信につながったと思うので、これからもっとチームを支えてほしい」。そして根本葉瑠乃(三菱電機 コアラーズ)についても「ケガもあって大変だったが、(シュートはもちろん)ディフェンス面でもこの試合はすごく助かった」と称賛。オコエ桃仁花(デンソー アイリス)には「彼女は気持ちが強く、相手が大きくても負けない。彼女は若いからまだまだ成長する」とコメントし、馬瓜エブリン(トヨタ自動車 アンテロープス)に対しても「彼女もすごくいい」と、とにかく枚挙にいとまがない。
「このチームは若いから、若い選手ががんばらないと。何年目とか関係ない。いいバスケができたら試合に出すし、自信があれば試合に出す。僕は、相手がプレッシャーディフェンスをやった時に、逃げるような選手は好きじゃない。今残っている選手は、相手がプレッシャーを掛けてきたらアグレッシブに攻めていく、そういう選手たちです」
若手のチャレンジと成長が、チームの層をさらに厚く、底上げする。一人ひとりの成長を見守り、その成果を認められることの喜びを、ホーバスHCは心から楽しんでいるようだ。