「バスケットボール女子日本代表国際強化試合2019 三井不動産カップ」の初日、女子日本代表は91-59で勝利。持ち味の速い攻めで試合序盤からチャイニーズ・タイペイを圧倒した。
第1クォーターを20点差と大量リード。そのクォーターだけで31得点を挙げた攻撃の起点となったのが、スターターのポイントガードである町田瑠唯(富士通レッドウェーブ)だ。
「ここ何試合かの出だしが重く、走り切れていなかったので、出だしからしっかりペースを作って、プッシュしていくことを意識していました」と語るように、小気味よいパス回しで流れを作ると、「頑張って走ってもらおうと思い、前に出しました」と、ロングパスからも味方の得点を演出。終わってみれば、10アシストを記録した。
昨年秋の女子ワールドカップや5月に行われた「三井不動産カップ」のベルギー戦と、ここ最近の試合では控えからの出場が多かったが、「オフェンスのリズムができる」(トム・ホーバスヘッドコーチ)ということからチャイニーズ・タイペイ戦では先発に。その期待に見事応えたのだが、「ターンオーバーが多かったので、パスを出せない時に自分が(無理をして)出していたので、そこはしっかり判断すること。積極的なミスはいいと思うけど良くないミスもあるので」と本人は反省しきり。
ホーバス・ヘッドコーチも「町田にしては見たことのないターンオーバー」というように、正確性がウリの町田にとって、6つのターンオーバーは翌日の第2戦以降の課題となった。
とはいえ、今は1か月後に控える「女子アジアカップ2019」に向けてチーム作りの最中。そのため、ミスの中には味方に対してタイミングなどを含めた“試したパス”もあったのだが、やはり町田は「それでも防げるミスもあったので…」とコメント。
「いい選手たちばかりなので、その良さをどれだけ生かせるかはポイントガードにかかっていると思います。自分の持ち味、らしさを出して、ガードとして引っ張っていきたいです」と思いを語る町田。
第1戦は、赤穂ひまわり(デンソーアイリス/185センチ)もスターターに名を連ね、渡嘉敷来夢(JX-ENEOSサンフラワーズ/193センチ)、髙田真希(デンソーアイリス/185センチ)、宮澤夕貴(JX-ENEOSサンフラワーズ/183センチ)と、日本のスターターの平均身長は181.6センチ。「私が平均身長を下げていますね…」と162㎝の町田は笑うものの、スピードある攻撃を組み立てる小さな司令塔の存在は、試合を重ねるごとに大きくなっている。
文=田島早苗