リオ五輪以来の国際大会に参戦中の本川紗奈生。「この場に立ちたいという気持ちは今も昔も変わりません」

シックスマンとして攻防において体を張る本川紗奈生[写真]=fiba.com

「メッチャ楽しんでいます。いつも国際大会の初戦になると、何か知らないけど泣きそうになるんです。それは、うれしさもあると思います。この場に立ちたいという気持ちがあり、それは今も昔も変わりません。そういう思いが自分を奮い立たせてくれます」

「FIBA 女子アジアカップ 2019」の大会3日目を終え、こう語ったのは渡嘉敷来夢(JX-ENEOSサンフラワーズ)と同様に、2016年のリオデジャネイロ・オリンピック以来の国際大会出場となった本川紗奈生(シャンソン化粧品シャンソンⅤマジック)。

 所属するシャンソン化粧品では得点源として君臨し、日本代表でもリオデジャネイロ・オリンピック、4年前の女子アジア選手権(現アジアカップ)にスターターとして出場。オリンピックではベスト8、アジア選手権では優勝&日本の12年ぶりとなるオリンピック出場に貢献した。しかし、オリンピック以降は怪我などもあり、日本代表として国際大会には不出場。今回、4年ぶりに日の丸を付けての戦い場に戻って来た。

 その女子アジアカップの初戦は、宮澤夕貴(JX-ENEOSサンフラワーズ)が体調不良による欠場もあり、本川はスターターとして出場。16分弱の出場で16得点、4リバウンド、3アシストをマークした。続く2戦目のチャイニーズ・タイペイ戦、3戦目の韓国戦はシックスマンとして出場し、チャイニーズ・タイペイ戦こそ2点に留まったものの、韓国戦では7得点を奪取した。

 予選ラウンド3試合を終え、3連勝となった日本はグループAの1位に。そのため、決勝トーナメントでは準決勝からの出場で、準々決勝が行われる27日は休息日となる。試合を重ねるごとに徐々に調子も上がってきているという本川。「大事なのは明後日(準決勝)からなので、そこに調子を合わせていかないといけないと思っています。オーストラリアは世界ランキング3位。今大会でも一番強い相手に立ち向かえるのはすごく楽しみだし、だからこそ、どんどん向かっていきたいです」と笑顔を見せる。

札幌山の手高校時代のチームメイト町田瑠唯とともに今大会では4連覇を目指す[写真]=fiba.com

 本川と言えばリオデジャネイロ・オリンピックでも見せた鋭いドライブが持ち味。まだ、“らしい”ドライブからのシュートはないものの、「オリンピックの時はドライブ中心で攻めていたたけれど、今回は3ポイントシュートも積極的に狙いつつ、そこからのドライブでフィニッシュまで行ければ。それに、周りを生かすプレーも入れていきたいので、すべてにおいてできるように。ディフェンスも含めてやっていきたいです」と冷静に語る。

 怪我などを乗り越えて戻ってきた国際大会。鋭いドライブと勝負強い外角シュートを持つ日本屈指のスラッシャーは、「シックスマンで出てもチームを引っ張っていけるように。走って引っ張っていきたいです」と決意を新たにしていた。

取材・文=田島早苗

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